健康宣言とは?

健康経営優良法人に認定されるためには、はじめに健康宣言を行う必要があります。健康宣言とは、企業が加入している保険者のもとで、企業一丸となって健康経営に取り組むことを対外的に発信することを指します。

今回は、健康宣言を行うときの流れや、健康宣言書のひな形、健康経営優良法人認定制度の認定基準などもあわせて解説します。健康宣言を行って健康経営に力を入れることのメリットもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

健康宣言とは?

健康宣言とは、企業が健康経営優良法人の認定を目指して、企業全体で従業員の予防・健康づくりに取り組むことを自ら宣言することと定義されています。

冒頭にお伝えしたとおり、健康宣言は健康経営優良法人の認定要件の一つとなっており、大規模法人部門と中小規模法人部門それぞれで以下のように評価項目として定められています。

〇経営理念(経営者の自覚)

大規模法人部門:健康宣言の社内外への発信(アニュアルレポートや統合報告書等での発信) ⇒必須

中小規模法人部門:健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診⇒必須

事業所等の規模(従業員数・資本金等)により、大規模法人部門と中小規模法人部門の 2 部門があり、中小規模法人部門への申請にあたっては、保険者が実施する健康宣言事業に事業所等が参加し たうえで、その事業所自身が健康宣言を行っていることが必要です。

また、令和 2 年度は「健康経 営優良法人 2021」として 2020 年 9 月~10 月頃に申請を受け付ける予定であり、申請日時点で事業所 が健康宣言を実施している(実施見込みは不可)必要があります。

引用:経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課「健康宣言事業」の実施に向けたご協力のお願い

健康経営の重要性

企業が健康宣言を行うことは、企業が主体的に健康経営に取り組むと表明したことの証となります。従業員という人的資本に投資を行う健康経営は、労働人口の減少や医療費増大している日本で、必ず向き合わなければならない重要テーマといえます。

健康経営に取り組んで従業員の健康促進や活力を増進すれば、企業と社会それぞれに、次のような効果をもたらします。

〇企業への効果

組織の活性化、生産性の向上、優秀な人材の獲得、人材の定着化などの効果が期待され、企業価値や業績の向上へつながる

〇社会への効果

あるべき国民医療費の実現(医療費の増大をおさえる)、国民生活の質があがる、ヘルスケア産業が生まれるなどの効果が期待できる

健康保険組合や協会けんぽが行う健康宣言事業の概要

保険者が、健康保険加入している企業などの健康宣言の策定を支援することを、保険者の健康宣言事業といいます。

健康宣言事業は、保険加入者(企業および従業員)の健康増進のために、保険事業の一環として行うものです。なお、健康宣言事業を保険者が開始するときは、健康経営優良法人認定事務局や経済産業省に届け出はとくに必要ありません。

企業などが健康経営優良法人の認定申請を行うタイミングで、健康経営優良法人認定事務局から保険者に対して、以下の2つを照会する流れとなっています。

①健康宣言事業を実施しているか

②事業所等が健康宣言事業に参加しているか

ここで注意したいのは、日本すべての保険者が、健康宣言事業を行っているわけではないということです。健康宣言は、健康経営優良法人に認定されるために必須条件となっているため、企業は必ず管轄の保険者に問い合わせし、健康宣言事業を行っているか確認するようにしましょう。

健康宣言書のひな形

各保険者では、健康宣言書のひな型を公開しています。次のページは、全国健康保険協会の公開しているひな形です。

参考:協会けんぽ 健康宣言書ひな形

保険者が健康宣言事業を行う必要性とメリット

令和2年度の健康経営優良法人・中小規模法人部門には6000社以上の申請(2016 年度比で約 15 倍)がありました。しかし、加入している保険者が健康宣言事業を行っておらず、残念ながら申請できない、もしくは不認定となる企業が複数あったそうです。健康経営優良法人の認定企業はここ数年で急増しているため、保険者の健康宣言事業のニーズは高まっていると考えられます。

保険者が健康宣言事業を行うメリットとしては、健康経営優良法人認定をきっかけに保険者と企業などとの接点が生まれることです。健康宣言を行うタイミングで、特定健診や特定保健指導の実施を促すなど、保険者が従来行っていた保健事業を効率的に推進することが可能になります。

協会けんぽの健康宣言事業を例にあげてみると、健康宣言事業として「健診を全社員受診」「法令遵守」の必須項目に加え、「受診勧奨の取り組み」「家族の健診受診」「ストレスチェックの実施」「健康増進・加重労働防止に向けた具体的目標の設定」などを選択項目として用意しています。

企業が行う健康宣言の策定方法

保険者の健康宣言事業では、次の2点を満たす健康宣言を策定してもらうことが必要です。

  1. 保険者が健康宣言等の取組を有していること。
  2. 健康宣言の取り組みとして以下の要件を満たしていること

また、以下3つのうちいずれか一つが必須項目となります。

  • 従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討を行うこと
  • ヘルスリテラシーやワークライフバランスの向上、職場の活性化などを目的とした健康経営の実践に向けた基礎的な土台作りとワークエンゲイジメント(具体策)の取組を行うこと
  • 健康増進・生活習慣病予防、感染症予防、過重労働、メンタルヘルスなどへの対策 のために、従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策を実施すること

次の1点は必須項目です。

  • 健康宣言の社内外への発信を実施すること

最後に、以下3つは努力義務となります。

  • 健康づくり担当者を一名以上設置すること。
  • 保険者に40 歳以上の従業員の健診データを提供すること
  • 従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと

参考:経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課 「健康宣言事業」の実施に向けたご協力のお願い

健康経営優良法人2021(中小規模法人部門)評価項目での健康宣言の注意点

健康経営優良法人の中小規模法人部門にて、健康宣言を行うときの注意点をご紹介します。

一つ目に、健康宣言を行う際は経営者自身が年に1回の定期健康診断を受診していることが必要になります。受診する予定日は決めたが、実際に受診していない場合は評価項目をクリアしたことにならないため注意しましょう。

もう一つの注意点は、健康宣言は文書などを従業員および社外関係者の両者に発信することで認められるという点です。経営者自身のSNSで「健康宣言をします!」と発信した場合や、保険者を通さない健康宣言、口頭で発表しただけでは正式に認められないことをおさえておきましょう。

加入保険者が健康宣言事業を実施していないときはどうする?

健康経営優良法人2021(中小規模法人部門)の認定では、保険者が実施する健康宣言事業に参加したうえで健康宣言を行うことが必須と示されています。つまり、加入保険者が健康宣言事業を実施していない場合は、健康経営優良法人2021(中小規模法人部門)に申請することができないため注意しましょう。

万が一申請ができなかった場合は、翌年以降の健康経営優良法人2022に向けて保険者の実態を把握するため、経済産業省ヘルスケア産業課に申請できなかった旨を連絡してください。

まとめ

健康宣言とは、健康経営優良法人の認定制度に申請する際に必須の評価項目であり、加入保険者の協力のもと進めていく施策です。健康宣言をきっかけに、管轄の保険者と接点をもち、従業員への健康診断の促進や、そのほか付随する健康経営施策を積極的に進めていきましょう。

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