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社販(社員販売・社内販売)とは?会計処理や目的、メリットまで詳しく解説!

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更新日|2023年10月5日
所長|いくた
この記事の概要

「社販」とは「社員販売」あるいは「社内販売」の略称として用いられる言葉です。会社が社員に対して特別な価格や条件で商品・サービスを販売する仕組みのことを言います。社販は福利厚生として導入して従業員満足度の向上を図っている企業も少なくありません。本稿では社販の目的・メリット・会計処理など、導入に際して押さえておきたいポイントを網羅して解説していきます。

目次

社販とは

梱包材と男性

社内販売・社員販売は一般的に「社販」と略されることが多く、何となく聞き覚えがある人も多いのではないでしょうか。社販とは、基本的に企業が自社の商品やサービスを従業員へ提供する際に、割引価格や優待措置が適用されることを指します。一般的な企業では福利厚生の一環として整備される仕組みですが、社販が広く浸透している世界としてはアパレル業界が有名です。

アパレル業では就業中の従業員に自社製品を着用してもらい、働きながらブランドイメージを浸透させる広告塔としての役割を担ってもらうのが一般的になっています。従業員にとって自社ブランドのアイテムは、いわばコーディネート可能な制服のようなものです。就業中に着用する商品は原則として従業員の買い取りですが、定価販売のままでは経済的な負担が大きくなってしまいます。そこで社販制度を整備して経済的負担を軽減しているのです。

また、自社ブランドの商品をお得な価格で販売することで従業員満足の向上を狙う意図もあります。商品PRと従業員満足度の向上が社販によって実現するのであれば、多少の値引きは企業にとって痛手とはならないでしょう。社販は適切に運用されていれば、労使共にwin-winの関係を構築できる制度です。

社販の目的とは

男女社員

社販制度を整備する目的は多岐におよび、企業によって意味合いが異なるというケースもあります。ここでは社販制度の主な目的について詳しく見ておきましょう。

従業員の福利厚生の一環として

社販は一般的に福利厚生の一部として取り入れられています。福利厚生には「法定福利厚生」「法定外福利厚生」の2種類があり、それぞれ性質が異なるので留意してください。

法定福利厚生とは日本の法律で企業に義務付けられている福利厚生であり、従業員が会社で加盟する「社会保険」と「労働保険」が該当します。社会保険は「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「子ども・子育て拠出金」、労働保険は「雇用保険」「労災保険」の総称です。法定福利厚生は従業員が安心して働けるよう、将来や万が一の事態に備えておくための制度と言えます。

これに対して法定外福利厚生は企業が独自に整備するものであり、制度の内容も様々です。資格取得サポート・社員食堂・特別休暇といった社内提供型ものもあれば、宿泊・飲食・レジャーなど外部施設の利用優待制度を整えている企業もあります。

法定外福利厚生は賃金・休暇といった基本的な労働条件とは別に、従業員へ付与する特典として用意されるものです。社販は法定外福利厚生であり、従業員に対して自社製品・サービスを割引価格で提供することで、企業から従業員に向けて感謝の気持ちを示す・普段の働きを評価するなどの意味合いも持っています。働き手を大切にする企業は従業員満足度やロイヤルティが高く、採用力強化といった効果も期待できるのです。

商品知識の向上

社販は従業員に自社商品の知識を深めてもらうために行う場合もあります。「自分の会社の商品なんだから、よく分かってるのでは?」と思う人も少なくないでしょう。もちろん開発中に試用したり営業のための資料で情報を得たりなど、従業員は商品に関する知識を持ち合わせています。

しかしそれはあくまで「商品を開発した側の知識」であり、一般消費者目線での知識は含まれていません。社販によって従業員が自社商品を手にしやすい環境を整えれば、一般消費者目線で使用して商品の良さ・課題点を体感してもらえます。

こうした経験値は特に商品への深い理解度が求められる、販売やサポート関連の業務で活かされやすいです。従業員が消費者目線の知識を身に付ければ顧客への商品説明や質問対応の品質が向上し、顧客からの信頼度や成約率の向上が期待できます。

製品のフィードバックの取得

自社製品のクオリティを高めていくためには、使用者からのフィードバックが重要な手がかりとなります。一般消費者からの意見・感想をアンケートなどで収集している企業は多いでしょう。実は、社販がこうした製品へのフィードバック取得にも有用であるとされています。先に述べたように、社販は従業員が消費者目線で商品を使用する機会を提供するのに有効な施策です。そして加えて言うなれば、商品を使用した従業員からは一般消費者とはまた異なった視点からの意見・感想も期待できます。

自社視点と消費者視点の両方を持った人材からの意見は、製品開発および品質改善において貴重な情報です。例えば消費者目線から「ここはこうして欲しい」という要望があっても、開発プロセスやコストの関係で実現が難しいものが多いでしょう。その点でいうと両者の視点を兼ね備えた従業員は、「消費者目線での感想」と「社内事情」の兼ね合いを考慮した意見を提案してくれる可能性が高いのです。実用的な意見が活発に提案されれば製品の品質改善やユーザビリティ向上が順調に進み、市場のニーズに対して柔軟な対応が可能になります。こうした社内体制を維持できれば、市場優位性の確保にも繋がっていくでしょう。

在庫の処分

自社で取り扱う商材にもよりますが、シーズンの変わり目に新商品を売り出すところも多いでしょう。となると、今までのシーズンで売れ残ってしまった商品をどうにかして捌き切りたいところですよね。このようにシーズン変わり目やモデルチェンジのタイミングで残った在庫は、社販へ回すと効率的に消化可能です。

在庫を抱えたままだと課税対象となる恐れがあるため、一般的には販売価格を抑えてでも捌くのが得策とされています。値下げ品として消費者に提供するという選択肢もありますが、既存モデルの値下げはブランド価値の低下に繋がるリスクもあるでしょう。在庫を社販で処分できれば適正な管理が可能となり、廃棄による損失を最小限に抑えられます。資金繰り改善・保管スペースの有効利用など、副次的なメリットも期待できますよ。

ブランド愛着の育成

自社の従業員には自社商品やブランドへの愛情を持ってほしいですよね。そんな企業側のニーズにも、社販が有用に働いてくれる可能性があります。社販によって自社商品を手にする機会が増えれば、従業員が日常的に自社商品を使ってくれやすくなるでしょう。

普段使っているアイテムには自然と愛着が湧き、企業やブランドに対する帰属意識が育っていきます。ポイントは購入・使用を強制するのではなく、あくまで社販という制度を通して自発的に利用してもらうということです。企業やブランドへの愛着は、やがて仕事のモチベーション維持や企業へのロイヤルティ向上に繋がります。社販で手にした商品が本当に良いものであれば、従業員が知人や友人などに自ずと自社製品を推薦してくれるようになる可能性も高いです。

外部への宣伝効果

アパレル業界での社販は顧客への広告効果がありますが、実は他の業界で行われている社販でも似たような効果が期待できます。アパレル業界以外の場合、宣伝対象は顧客ではなく取引先をはじめとする社外の人々です。商談や業務提携といったシーンで自社従業員が社外の人と接する機会は少なくありません。そういった場面で自社製品を使っている様子を見てもらったり、製品の評価を共有することで外部の人たちにも興味を持ってもらえる可能性が高くなります。

間接的な宣伝や口コミは比較的信用度が高いので、効果的なプロモーションが見込めるでしょう。社販による外部への宣伝は新規顧客の獲得・ブランドの認知度向上・企業信頼性の向上など、様々なメリットが期待できます。

社販の税務処理・会計処理/仕訳・勘定科目について

電卓

社販は通常とは異なる価格で商品を売却するため、適切な会計処理が必要です。以下では社販の会計時に気を付けておきたいポイントを解説します。

所得税・法人税のルール

社販では一般販売価格から値引きして従業員へ提供することになるため、従業員はその差額分だけ経済的利益を受けていると見なされます。そのため、社販は原則的に「現物給与」という名目で給与課税(所得税)の対象となるので十分に注意しておきましょう。

よかれと思って整備した社販制度が、場合によっては従業員の税負担を重くしています可能性があるのです。ただし、所得税法では以下の要件を完全に満たす社販は課税対象としていません。なお、以下の条件は不動産商品には適用されないので注意してください。

・社販で値引した販売価額が会社の商品取得価額以上であり、通常他に販売する価額のおおむね70%未満でない
・値引率が従業員など全員一律である、職位や勤続年数などによって差を設ける場合でも合理的なバランスが保たれている
・従業員が社販で購入する商品の数量が、自分の家事のために消費すると認められる程度である

消費税上のルール

消費税は「実際に受領した譲渡などへの対価の額」を課税標準とするのが原則です。社販で商品を提供する相手が「一般従業員」の場合は、この原則に則って実際の譲渡価額に消費税率をかけて算出します。しかし提供相手が「役員」の場合はこの限りではありません。役員への販売は社販の中でも特殊で、無償あるいは極端に低い価額で提供されるケースがあります。こうした経済的利益の大きい社販では、譲渡時の価額ではなく「時価(そのときの市場でその商品の取引が成立している価額)」に消費税率がかけられるので留意してください。

社販の利用者が役員であっても、通常のように実際の譲渡価額に消費税率をかけるケースがあります。例えば「値引率が役員を含め従業員など全員一律」「勤続年数などによる合理的な基準に基づいて値引率を決めている」といった場合は、時価ではなく実際の譲渡価額に課税されます。譲渡の対象が「棚卸資産」であり、なおかつ「譲渡の価額が当該資産の取得価額以上」もしくは「通常他に販売する価額のおおむね50%以上」という場合も譲渡価額に課税されるので覚えておきましょう。

税務上の要件を満たさない取引の取扱いについて

税務上の要件を満たしていない取引は商品の「通常販売価額」を基準として所得税は給与課税、消費税は譲渡した時の時価が課税対象です。例えば通常販売価額が税抜き2万円、取得価額が1万2,000円の商品を社販で提供したと仮定しましょう。所得税の基準は販売価額の70%なのでここでは税抜き1万4,000円、消費税の基準は販売価額の50%なので税抜き1万円となります。

この税抜き2万円の商品を、一般従業員へ1万5,000円で販売したとしましょう。すると所得税上の規定である販売価額の70%(1万4,000円)を上回り、会社の取得価額以上の金額でもあるため所得税は課税されません。一方消費税は実際の譲渡価額へ課税されるため、1万5,000円×10%で1,500円を計上します。仕訳としては借方に現金1万6,500円、貸方に売上1万5,000円と仮受消費税1,500円の記載です。

では、同じ商品を役員へ税抜き8,000円で提供した場合はどうでしょうか。所得税の基準である販売価額の70%(1万4,000円)を下回り、なおかつ消費税の基準となる販売価額の50%(1万円)と会社の取得価額である1万2,000円も下回っています。このケースでは給与課税として所得税が、売上として計上する時価に対して消費税がかかることになるのです。時価(通常販売価額)である2万円に10%をかけるので消費税は2,000円となり、売上(時価)と譲渡価額の差額は役員への給与支払として扱います。

仕訳は借方に現金8,800円と役員報酬1万3,200円、貸方に売上2万円と仮受消費税2,000円の記載です。役員に無償で商品を譲渡した場合も基本的な考え方は同じで、借方の役員報酬が2万2,000円になります。譲渡相手が役員の場合は法人税が増加するので注意しておきましょう。これは役員賞与を税金計算上で経費と見なさない「役員賞与損金不算入」に基づくためです。

サービス提供の場合は?

社販は物理的な商品ではなく、サービスを提供するというケースも考えられます。マッサージやレクリエーションを通常よりも安く利用できるといったものが一例に挙げられるでしょう。サービスを提供する社販が所得税の課税対象となるのは「経済的利益が著しく大きい(値引率が高い)」「社販の対象者が役員のみ」の2パターンです。

物理商品と同じく、一般的には通常価額の70%を下回ると経済的利益が大きいと判断されやすいでしょう。なお、飲食店のまかないについては現物給与として課税されるのが基本です。しかし「提供価額の半額以上が本人負担」「経済的利益が月額税抜き3,500円以下」など、福利厚生費として損金処理可能な要件も定められています。

社販の仕組みとは

ポイント

社販は企業ごとに独自のやり方やルールが存在しますが、一般的な仕組みはおおむね共通しています。まず社販の制度を整えるためには「対象者」を絞り込みましょう。基本的には自社で働いている従業員当人たちを対象としますが、従業員の家族や関連会社の従業員を対象に含めることも可能です。この辺りは商材との兼ね合いもあるので、対象を広げる場合は慎重に検討しましょう。

次に「社販に出す商品」を選択します。社販はすべての自社商品を対象としなければならないという訳ではありません。新商品・人気商品・在庫過剰品などを考慮した上で、社内の状況や経営方針に応じて対象商品が選んでください。

社販の成否を大きく分けるのが「価格設定」です。販売価格が安過ぎれば自社の負担が大きくなり、逆に高過ぎるとお得感がないため従業員の社販利用を促進できないでしょう。通常の小売価格よりも安く設定するのが基本ですが、値引率は慎重に協議したいところです。商品や時期によっても値引率を変動させている企業もあります。

価格と同時並行くらいのタイミングで、「販売方法」についても決めておくと良いでしょう。企業規模や商品の種類によっては、社販専用の販売スペースやWebサイトが設けられるケースも散見されます。期間限定の社販イベントを開催するというのも、特別感の演出によって利用促進効果が期待できるでしょう。

利用しやすい社販制度を整えるには「対応可能な支払い方法の種類」も大きく影響します。一般的には現金払いが多いですが、商品・販売方法によっては給与からの天引きやクレジットカードに対応していると利用しやすくなるでしょう。特にWebサイト経由で購入してもらう場合は、クレジットカード決済に対応しておくのが基本と言えます。

意外と見落としやすいポイントが「購入制限」についてです。購入制限は社販の特典を対象となる従業員に公平かつ適正に享受してもらうため、さらに外部への転売を防ぐために行われます。シンプルに購入数量の制限を設ける場合もあれば、一定期間に1度だけ購入可能など時限的に制約する方法もあるので参考にしてみてください。

社販制度を運用し始める前に「フィードバック収集」の仕組みが整っているかもチェックしておきましょう。社販によって商品を手にした従業員からの意見・感想は、品質改善において重要かつ貴重なデータです。企業としてはのどから手が出るほど欲しい情報ですが、しつこくヒアリングして意見を求めるのは従業員からの心象を悪くする可能性があります。購入者を対象としたアンケートの実施や意見箱の設置など、社販の利用者が能動的に情報を提供できる環境を整えておくのが良いでしょう。その際はフィードバック送信の仕組みについても周知しておくことが重要です。適切な社販の仕組みを構築するには「必要となる経費」「管理の手間隙」「公平性を保つためのルール」など、多角的な視点から検討することを意識しましょう。

社販のメリット

メリット

社販は運用次第で労使双方にメリットが期待できる制度であり、そのためには各メリットについて予備知識を見に付けておくことが大切です。ここからはそのメリットについて見ていきましょう。

従業員のメリット

制度を利用する当人である従業員にとってどのようなメリットがあるのか、それらを把握して初めて社販は成功すると言っても良いでしょう。まずは従業員目線でのメリットを紹介します。

価格の割引

従業員にとって社販の大きな魅力は、通常の小売価格よりも安く商品を購入できるという点です。それを理解しているからこそ、多くの企業で展開されている社販は一般販売価格よりも安い価格設定になっています。

値引は従業員の購買意欲を刺激して、日常生活で自社製品の利用機会が増えることが期待されるのです。衣料品や食料品といった生活必需品の社販は、従業員の生活支援にも効果的と言えるでしょう。

新製品の早期入手

新製品を市場へリリースする前にある程度評価を確認しておきたい、あるいはプロモーションの下地を整えておきたいという企業も少なくありません。そういった場合、テスト販売や発売前のプロモーションという観点から自社の従業員へ先行販売するケースがあります。

従業員からしてみれば新製品をいち早く手に入れられるので、新しいもの好きな人にとっては良い刺激になるでしょう。使用感について外部への宣伝や口コミを広げてくれる可能性もあります。

商品知識の向上

従業員は社販を利用することで、自社商品について特徴・使用感・メリット・デメリットなどを細やかに把握しやすくなります。商品への理解度が高い従業員は、顧客対応や商品のセールスにその知識を活用することができるため仕事のクオリティが高くなるでしょう。

仕事が商品の成約に直結する営業職や、商品理解度が物を言うカスタマーサポートといった職種で特に大きなメリットです。

企業のメリット

社販が多くの企業で導入されているのは、企業にとってもそれに見合うメリットがあるからです。自社の経営に社販を有効活用するためには、以下のメリットについて意識して制度を運用してみてください。

従業員の満足度向上

前述の通り、社販は従業員にとってもメリットが多いため特典や福利厚生として提供されることが多いです。したがって、社販が上手く機能している企業では従業員満足度や職場に対するロイヤルティが高い傾向があります。

従業員満足度の向上は離職率の低下に繋がるため、優秀な人材を自社に留めておけるようになるでしょう。働き手が不足していると言われる現代ビジネスシーンにおいて、人材確保にアドバテージを取れるのは大きなメリットです。会社に満足している従業員が多ければ自然と職場の雰囲気が良くなるため、チームワーク向上やコミュニケーション活性化といった効果も期待できます。

製品のフィードバック収集

「開発者の視点」と「一般消費者の視点」を持った人材は、自社の従業員だけです。したがって従業員が製品を使用することで得られるフィードバックは、一般消費者からの意見とは異なる貴重なものになります。

細かいところまで気が付くからこそ見つけられる商品の意外な改善点や、多角的な視点による斬新なアイディアで新製品開発の方向性が見えることもあるでしょう。

ブランド愛着の育成

社販で従業員自身が自社製品やサービスを利用すれば、その品質・性能・特長を実感してもらえるでしょう。自社製品の良さを身をもって感じることで、企業やブランドに対する誇り・熱意・愛着の高まりが期待できます。プライベートで商品を利用することでただの仕事としてではなく、1人の消費者として製品を評価できるのです。

「自分たちが仕事で作ったものを自分で使う」という経験は従業員にとっても貴重であり、外部の人々に対して自社製品やサービスを紹介する際に自信が持てるようになります。従業員間で商品についてのコミュニケーションが盛んになり、商品の強み・改善点といった意見や感想を共有する機会が増えるでしょう。また、ブランドへの愛着が高まると現場の士気が向上するので、顧客対応力・生産性・業務効率といった様々な面で良い影響が出る可能性があります。

社販のデメリット

デメリット

多くのメリットが期待できる一方で、社販は運用方法を誤るとデメリットが発生することもあります。予期せぬトラブルを回避するためにも、メリットだけではなく想定されるデメリットについても理解を深めておきましょう。

従業員のデメリット

社販の利用者である従業員がデメリットを被ってしまうようでは、制度として本末転倒と言えるでしょう。社販において従業員へのデメリットとなり得るのは以下のポイントです。

制約された選択肢

従業員は社販において、自社製品を割安な価格で購入できるという点に魅力を感じます。しかしそれは一方で、従業員が他のブランドや商品に目を向ける機会を奪ってしまうリスクを秘めているとも言えるでしょう。

特典を享受したいがあまり社販で自社製品の購入数が増えると、かえって消費者としての視野や選択の幅が狭まってしまうのです。例えば社販が一般化しているアパレル業界では、従業員が社販で自社製品を定期的に購入することも珍しくありません。

その偏りによって、他ブランドの流行およびデザインを知る機会が失われる可能性があるのです。対策としては競合他社の動向や市場ニーズのチェックを呼びかける、過剰提供にならないように購入制限を設けるといった取り組みが挙げられます。

予期しない費用

安いものはついつい余分に買ってしまいがちというのは、日常生活でのセールでも社販でも同様です。割引や特典を受けるために従業員が必要以上の商品を購入すると、家計を圧迫する原因になり兼ねません。

こうして事例は電子製品のように元々の商品単価が高い企業で特に注意しておきたいところです。例えば新しいガジェットが社販価格で提供される際、従業員が新製品を早く試したいという欲求から予定外の出費に踏み切る可能性があります。

当人の判断であるため対策が難しいポイントではありますが、例えば高額商品については1度購入した後に社販を利用できるようになるまで長め期間を設けるといった対策が挙げられるでしょう。支払いが長期化すると最終的な金額は増えますが、一時的な圧迫を回避するためにクレジットカードでの支払いに対応しておくというのも1つの選択肢です。

プレッシャー感

社販制度が整備されている企業で働く従業員の中には、制度そのものをプレッシャーに感じてしまう人も居ます。これは企業文化や風土によって引き起こされるケースが多く、社販を利用しない従業員が少数派である場合によく見受けられます。

多くの従業員が社販で購入したアイテムを使用している中、利用していない従業員が「なんで社販を使わないの?」と尋ねられるなんてことも想定されるでしょう。相手に悪意がなくても、場合によっては当人が不快に感じてしまう可能性も0ではありません。

この問題を解決するためには、社販に対する意識を社内で共有することが重要です。社販は強制されるものではなく、あくまで従業員側に選択の権利があります。特に先輩社員や上司からの社販推奨はプレッシャーに感じやすいので注意が必要と言えるでしょう。

企業のデメリット

商品を安く提供する企業側としても、社販について注意しておきたいポイントがいくつかあります。次の点へ配慮を心がけて、社販を上手に運用していきましょう。

在庫管理の難しさ

社販は通常の販売と並行して行う場合が多いため、在庫管理や売れ行きの予測が複雑になる可能性があります。例えば新製品の発売前に従業員向けの社販を実施する場合、どの程度の在庫を社販用に確保するべきかを見極める必要が出てくるでしょう。

社販のメリットを意識するあまり市場向けの在庫を削り過ぎると利益が下がってしまいます。適切な割引率を設定した上で購入上限を設けるなど、不測の事態を招かないための準備を整えておきましょう。売れ行きの予測が難しいからこそ、事前のリスク管理が重要になるのです。

収益の機会損失

社販は商品の割引販売が基本である以上、その差額分の収益が減少することは避けられません。10,000円の商品を社販で7,000円で提供すれば、企業は商品1つあたり3,000円の収益機会を失うことになります。

しかしリスクを恐れているばかりでは、社販のメリットを享受できません。従業員が魅力的に感じるラインと利益性のバランスを取る力が求められます。商品の原価・製作費・通常販売価格などを熟慮した上で、適切な割引率を算出してください。

不公平感の生じるリスク

社販のルールは企業ごとの異なるため、場合によっては提供商品や割引率に差が生じることもあります。しかし扱いに差を設けるということは、従業員間で不公平感や不満が生まれるリスクがあるということも意味するので注意してください。

よくあるのは部署・役職・在籍年数によって社販の特典が異なるというパターンです。それを不公平だと感じる従業員が、社内のコミュニケーションやチームワークを乱してしまう可能性があります。この辺りは社内の人事評価制度とも関係してくるため、人事担当者の意見を取り入れながら特典に差を設けるか否かを決めていくのが良いでしょう。差を設けるにしても、各自が納得できる範囲を慎重に模索することが重要です。

社販は労使の良好な関係構築に有効!メリットを最大化できる運用を心がけよう

社販は従業員満足向上やフィードバック取得など、企業にとって大きなメリットがあります。商品をお得に購入できる従業員にもメリットがあるので労使双方が潤うでしょう。一方で企業は在庫管理や税務処理が必要となり、従業員も自己管理が求められます。社販の成否は運用次第と言えるので、準備段階から入念な協議を重ねて制度を整えましょう。

社販のように従業員満足度へ繋がる福利厚生は、心幸グループのサービスもおすすめです。

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