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企業が実施すべき熱中症対策のポイント11選!厚生労働省が職場に求めている予防情報に基づいて解説

企業が実施すべき熱中症対策のポイント11選!厚生労働省が職場に求めている予防情報に基づいて解説

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更新日|2025年5月9日
所員|おばら
この記事の概要

地球温暖化により全国的に真夏日や猛暑日が多く発生している中、企業が積極的に熱中症への対策を実施することは重要です。
たとえば、日陰や冷房を設けたり作業時間を短くしたりするのが有効です。
こうした対策を実施することで、従業員が熱中症にかかるリスクが減り、労働災害の防止につながります。
この記事では、企業が実施すべき熱中症対策のポイント11選をまとめました。
企業の熱中症対策に効果的なサービスもあわせて解説するので、熱中症にかかりにくい職場環境を構築したい企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

目次

企業が実施すべき熱中症対策のポイント11選

厚生労働省が発表している「導入しやすい熱中症対策事例紹介」に基づくと、企業が熱中症を予防するために必要な対策として、以下のことが挙げられます。

・WBGT値(暑さ指数)の低減に努める
・休憩場所を整備する
・作業時間・内容を変更する
・暑さに慣れる期間を設ける
・水分・塩分摂取を呼びかける
・透湿性や通気性の良い服装にするように促す
・作業中は巡視を頻繁に行う
・従業員の健康状態に応じた対応を実施する
・労働衛生教育を行う
・緊急時に備えていち早く関係者に周知できる環境を整える
・管理体制を整備する

職場で熱中症対策を実施する際は、最初に作業環境や従業員の健康状態を把握することが重要です。

WBGT値(暑さ指数)の低減に努める

企業が熱中症対策をするにあたって、職場のWBGT値(暑さ指数)を継続的に測定することが求められます。

WBGT値とは、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に影響の大きい湿度、輻射熱(ふくしゃねつ)、気温の3つを取り入れた指標のことで、高くなるほど熱中症にかかる可能性が上がるため注意が必要です。

WBGT値を下げるためには、以下の対策を実施するのが効果的です。

・作業場所に屋根や日よけを設けて、直射日光を防ぐ
・グリーンカーテンや業務用扇風機、ミストファンや遮熱シートを導入し、空気の流れをよくして体感温度を下げる
・エアコン付きの重機やトラックの機種を採用して、常に涼しい環境を構築する

その際、対策を施した場所にWBGT測定器を設置して、効果検証をすることが大事です。

休憩場所を整備する

従業員がしっかりと休めるように、休憩場所を設置するのはもちろん、以下のように身体を冷やせるグッズや設備を備えておくと、熱中症にかかるリスクを下げられます。

・休憩場所に扇風機やエアコン、スポットクーラーを備える
・氷や冷たいおしぼりを用意しておく
・冷水やスポーツドリンクなどを定期的に補給して常備する
・シャワーや水風呂など身体を冷やせる設備を整備する
・現場勤務で休憩場所が設置できない場合、プレハブ休憩所やビニールハウス、近隣にある建物の一室を借りて休憩場所とする
・足場資材やアウトドア用のテントなどを用いて遮光ネットを張り、簡易的な日陰スペースを設ける
・作業場所が広く休憩場所が遠い場合、移動式の休憩車を使って現場を巡回し、従業員がいつでも休憩できる環境を整備する

そして、体調不良時に備えて、すぐに体温を下げられる環境を用意しておくことが大切です。

作業の規模や状況にあわせて、休憩場所を整備しましょう。

作業時間・内容を変更する

高温多湿な環境下では、作業時間を短縮するほか、作業内容を変更して従業員への負担を軽減することが大事です。

特に、気温やWBGT値が高いことが予想される場合、作業開始や終了の時間を変更してスケジュールを組み直したり、負荷の大きい作業は分担・分散させたりと、柔軟な対応が求められます。

具体的には、以下のような対策を実施するのが効果的です。

・予想されるWBGT値や気象情報を参考にして、作業時間の変更を行う
・実際に気温やWBGT値が高い場合は、現場責任者の判断で昼休憩の回数や時間を増やしたり、リスクの低い作業に変更したりする
・年齢や経験、体調などを配慮して、従業員ごとに作業内容を組み換える
・単独作業を避けて複数人で作業する
・負荷の高い作業は人員を増やしたり涼しい時間帯に作業したりする
・直射日光が当たる屋外や高温多湿な屋内では、長期にわたって連続して作業するのは避ける

まずは作業環境を把握し、それにあった対策を講じることが重要です。

暑さに慣れる期間を設ける

高温多湿な環境下に慣れていない従業員は、暑さに慣れて作業環境に適応する期間を設けましょう。

特に、梅雨から夏の始まりは熱中症にかかるリスクが高まるため、全体を通して段階的に暑さ慣れをする期間を設けることが望ましいです。

また、暑さ慣れに関する独自の資料・ポスターを作成して関連する企業に普及させたり、夏本番を迎える前に発汗を促す軽い運動を行ったりすることも大事です。

熱中症の発症リスクを下げるためにも、関連企業の協力に基づいて、暑さに身体を慣らす工夫を取り入れましょう。

水分・塩分摂取を呼びかける

休憩時や作業中などのタイミングで、こまめに水分・塩分を補給するように促しましょう。

その際、以下のような取り組みもあわせて行うのが有効です。

・水分・塩分の摂取記録をとる
・水分の摂取量目安(例:1時間に2回程度の水分をとる(1回250mL以上))を具体的に定める
・給水スペースに風雨を防ぎ電源を確保できるガードマンボックスを設ける
・ウォーターサーバーや塩タブレット、身体を拭くためのシートなどを設置する
・各作業場所にクーラーボックスを設置し、持参した飲み物を冷やせるようにする
・休憩場所に塩飴・塩タブレット、アイスキャンディー、カキ氷、スイカといった暑さ対策に役立つ食品を用意する

作業中の巡視を徹底し直接声かけを行って、定期的な水分・塩分摂取を促進しましょう。

透湿性や通気性の良い服装にするように促す

作業現場では、熱がこもりにくく汗を素早く吸収できる素材を用いた衣服や作業着を採用し、従業員が快適に働ける環境を整えることが大事です。

近年では、ファンが内蔵された空調服や、保冷剤を入れるタイプの冷却ベストなどを導入して、夏場の快適性や作業効率向上につながっている傾向です。

また、通気性の良い帽子を取り入れる以外にも、ヘルメットに取り付ける日よけ布や首筋を守るカバーを着用するといった、直射日光を避けるための工夫は数多くあります。

中にはこうした衣服やグッズを無償で提供したり、従業員だけでなく関連企業の作業員にも配布したりするケースがあります。

ただし、作業における安全の都合上、必ずしもすべての企業で透湿性や通気性の良い服装にできるとは限りません。

どうしても熱中症対策に有効な衣服や作業着を導入できない場合、以下のように作業開始前に体温を下げる取り組みや、作業中の体温上昇を抑える「プレクーリング」を行うのが有効です。

・流動性の氷状飲料を導入する
・冷凍設備のある車両を設置する
・水で冷やしたタオルや凍らせたタオルを配布する
・身体を冷やすために社員浴場シャワーを勤務時間内に利用できるようにする
・効率よく短時間で冷却できる飲料水「アイススラリー」を定期的に摂取する

必要に応じて作業開始前や休憩時間中にも、プレクーリングを実施するのが望ましいです。

作業中は巡視を頻繁に行う

現場の責任者や管理者は作業中にこまめに巡回し、従業員の水分・塩分補給の状況を確かめたり、顔色や動作に異変がないか健康状態を確認したりしましょう。

特に、高温多湿な環境下では熱中症にかかるリスクが高まるため、より頻繁な巡視が求められます。

また、高層階や低層階など現場環境によって状況が異なる場合、すべての作業場所を漏れなく巡視することが必要です。

巡回をする際は、以下のような従業員にはより定期的な声かけを行って、体調を確認しましょう。

・疾患(持病)のある人
・高齢者
・新人
・外国人(中国、ベトナム、インドネシア)

万が一、熱中症の兆候が見られた場合は速やかに作業を中断し、適切に対処することが大事です。

従業員の健康状態に応じた対応を実施する

従業員の健康状態によっては、熱中症の発症リスクに大きく影響します。

企業には従業員の健康診断に応じた対応が求められます。

もし、異常所見がある場合は、産業医や主治医をはじめとした専門家の意見を聴き、作業内容や場所を調整することが必要です。

また、睡眠不足や朝食抜きなどの習慣が継続すると、熱中症にかかるリスクが高まるため、日常の健康管理に関する指導を行い、必要に応じて健康相談を実施することも大事です。

その他にも、従業員の健康に関して、可能であるなら以下のようなことを実施しましょう。

・健康診断結果で異常値がある従業員は、産業医の指示に基づいて現場配置を行う
・産業医による月1日のミーティングを実施し、熱中症対策に関する情報を社内で共有する
・作業開始前や昼休み・巡視時などにチェックシートを通して、従業員の健康状態を確認する
・高血圧を抱えている従業員は、毎朝入場時に血圧の測定を行う
・朝の挨拶や朝礼などで対話ができるよう問い方をして健康状態を確かめる
・工場長が1時間おきに巡視する
・従業員同士が相互確認し、異変に気付いたら直ちに責任者へ報告する体制を整える

定期的に従業員の健康状態を確認して、熱中症予防を徹底しましょう。

労働衛生教育を行う

熱中症の発症リスクを下げるためにも、企業の管理者だけでなく、全従業員を対象にした労働衛生教育を定期的に実施しましょう。

その際、以下のような情報媒体を用いる・講習を開催するのが効果的です。

・熱中症の症状や予防策、応急処置の方法などに関する資料・ポスターを配布する
・外国の労働者が頻繫に使用する言語に対応した安全管理指導手順冊子を配布する
・教育用ビデオを用いて熱中症教育の充実を図る
・熱中症対策に関する独自のガイドライン・マニュアルを作成する
・毎月の安全衛生会議や夏前の安全大会などで、最新の熱中症対策や事例を共有する
・厚生労働省のデータに基づいた、熱中症に対する危険予防対策を教育する
・職長教育を通して、WBGT値の基準や測定方法などを徹底する
・従業員教育では、熱中症のメカニズムと予防方法、体温記録や十分な睡眠の確保などを指導する

こうした教育を通して、従業員の全員が自分の健康を守る意識を持てるように取り組むことが大事です。

緊急時に備えていち早く関係者に周知できる環境を整える

高温多湿な環境下では、万が一の非常時に備えて早期に対応できるように、あらかじめ緊急連絡体制を整備することが重要です。

その際、最寄りの医療機関や診療所の住所・電話番号を記載し、見やすい場所に掲示しましょう。

そして、従業員や管理者、救護担当者など関係者全員を記した緊急連絡網を作成し、紙面やインターネットを通して周知することも欠かせません。

実際、熱中症の兆候や自覚症状の疑いがある場合は、まずはすぐに涼しい場所へ移動させ、身体を冷やしながら水分・塩分の補給を行ってください。

その際、前もって現場近くに一時的な待機場所を設けておくと、迅速な対応を行えます。

また、熱中症を放置して重症化する前に救急車による搬送を手配したり、医療関係者に周知したりすることも大事です。

もし、軽い症状であっても回復した従業員に対して、帰宅後に責任者が連絡をし、体調の経過をチェックしましょう。

こうした緊急時に備えた体制を構築することで、行動手順に沿って冷静に対応できます。

管理体制を整備する

企業の管理体制を構築する際は、現場の熱中症対策に関する担当者を明確にしたうえで、産業医や衛生管理者と連携することが大事です。

そのとき、現場の状況に応じて管理体制を見直し、必要に応じて教育を受けた担当者を配置することで、効果的に熱中症予防を行えます。

その他にも、具体的な熱中症対策の取り組みとして、以下のことが挙げられます。

・経営者や職長などの主要な事業者が主体的に熱中症予防に関する講習を受けている
・管理職が健康診断の結果について、産業医の意見を聞きながら熱中症予防を推進する
・工場長が1時間おきに職場巡視を行う
・小規模現場では、監督者の判断を重視して、現場に適した熱中症予防対策を施行する
・職長に休憩時間の変更をはじめとした権限を与え、作業員一人ひとりの体調にあわせて休憩時間の調整を細かく行う
・管理者が積極的に朝の出社時の挨拶や朝礼などのタイミングで、従業員に対して体調管理の徹底を促す
・声掛けを徹底して、従業員が体調不良を申告しやすい雰囲気を築く
・SNSのグループ発信機能を活用し、熱中症のリスクや注意に関する事項をリアルタイムで全員に共有する
・携帯電話の翻訳アプリを通して、外国人にも母国語で伝えられるサポートを実施する

このような取り組みを実施することで、従業員が熱中症にかかるリスクが減り、安心して仕事に遂行できます。

また、最新の熱中症対策に関する知識や技術を積極的に取り入れ、効果があれば現場に導入し、常に管理体制の見直しと強化に努めることも大事です。

企業の熱中症対策に「オフめし」や「ザ仕入隊」を活用してドリンクを常備するのがおすすめ!

企業での熱中症対策の一環として、従業員がいつでも水分補給できる環境を整えることは必要不可欠です。

そこで推奨したいのが、オフィスの一角にミニコンビニを設置できる「オフめし」と、豊富な商品を卸価格でまとめて購入できる「ザ仕入隊」の活用です。

これらのサービスを導入することで、熱中症対策として有効なドリンクをはじめとした各種飲料や食品を常備でき、従業員の健康維持と満足度向上につながります。

「オフめし」(福利厚生を充実したい方向け)はオフィス内にミニコンビニを設置できる

「オフめし」は、オフィスの片隅にミニコンビニを設置できるサービスのことで、主な特徴として以下のことが挙げられます。

・業界最安値を誇る:規模を問わずに月会費は6,000円(税抜)とコスパに優れている
・卸価格で商品が手に入る:コンビニ商品を含めた各種飲食物を安く購入できる
・契約期間の縛りなし:2か月前の解約通知で違約金の発生なし
・従業員1名から導入できる:小さな会社から大企業まで、規模にかかわらず導入できる
・全国の配送に対応している:都市部も郊外も全国各地に配送できる
・商品数が豊富にある:800アイテム以上を用意している

800アイテム以上の豊富なラインナップから、熱中症対策に役立つドリンクはもちろん、オリジナル惣菜や冷凍弁当、コンビニ商品や雑貨などの商品を自由に選んで発注できます。

ミニコンビニがオフィス内にあることから、従業員は好きなタイミングで好みにあわせて飲食物を手に取ることが可能です。食事や飲料に関する福利厚生が充実で、従業員の満足度や職場のコミュニケーション活性化にもつながります。

また、従業員の熱中症対策としてドリンクを企業内に常備することで、こまめな水分補給がしやすくなり、無理なく熱中症予防ができます。

気になる方はお気軽にお問い合わせください。

「ザ仕入隊」(売店を運営したい方向け)は売店商品を卸価格でまとめて購入できる

「ザ仕入隊」は、コンビニ商品を卸価格でまとめて仕入れできるサービスのことで、主なメリットとして以下の通りです。

・月会費6,000円(税抜)でサービスを導入できる
・約1,200アイテムの飲料や食品、日用品などのコンビニ商品を卸価格で一括購入できる
・商品を各メーカーや問屋から買う必要がない
・全国の配送に対応している

売店商品はスマホでも簡単に注文でき、熱中症対策に有効なドリンクもお得に箱買いすることが可能です。そのため、「暑い夏に向けて、消費が早くなるドリンクをまとめて購入しておきたい」というニーズにも対応しています。

気になる方はお気軽にお問合せください。

まとめ:企業が取り組むべき対策に沿って熱中症の発症リスクを減らそう!

真夏日や猛暑日が全国各地に数多く発生し、地球温暖化で将来暑くなることが予想される中、企業が率先して従業員への熱中症対策に取り組むことは今後もますます重要になります。

具体的な措置として、業務用の扇風機や冷房等を作業・休憩場所に設置したり、アイスキャンディーやアイススラリーなど身体を冷やせる食品を用意したりすることが挙げられます。

あるいは、熱中症対策に有効なドリンクを企業内で常備できる「オフめし」や「ザ仕入隊」を検討するのも一つの手です。

どちらも月会費6,000円(税抜)で数百種類にのぼる豊富なラインナップを取り揃えているため、数多くの商品を並べることが可能です。

熱中症にかかりにくい職場環境を構築して、労働災害の発生頻度を減らしたいという場合は、ぜひ「オフめし」や「ザ仕入隊」を活用して、従業員が好きなタイミングで飲料を購入できる場所を設置してみてはいかがでしょうか。

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