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令和7年度エイジフレンドリー補助金とは?徹底解説!変更内容もズバリ

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更新日|2025年5月22日
所員|ハッシー
この記事の概要

エイジフレンドリー補助金とは、中小企業が高齢者を含む労働者の安全な労働環境を整える支援制度です。労働災害防止や腰痛予防のプログラムに補助金が提供され、職場の健康管理と生産性向上に寄与します。この制度を上手く活用することで、職場の腰痛の悩みの改善、生産性向上に役立ちます。この記事では、補助金のコースや申請手順などを紹介します。

目次

令和7年度エイジフレンドリー補助金とは

補助金

エイジフレンドリー補助金とは、中小企業が従業員の健康管理を強化する取り組みを支援する制度です。労働災害予防や転倒、腰痛の防止のために専門家による運動指導などがその対象となります。

これまでは高齢者のみを対象にした転倒防止の支援や、年齢制限はないが健康診断結果を基にした支援が中心でした。しかし、令和6年度から新たに転倒防止と腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コースが設けられ、年齢に関係なく活用できるようになりました。

これにより、職場の労働者がより安全で健康的に働ける環境が整えられ、生産性向上にも寄与することが期待されています。

〉〉エイジフレンドリーの取り組み事例とは?高年齢労働者が活躍できる職場環境に向けた補助金の活用事例も解説についてはこちら

補助対象となる4つの取り組み

腰痛

令和7年度のエイジフレンドリー補助金には、「総合対策コース」、「職場環境改善コース」、「転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース」、「コラボヘルスコース」の4つがあります。以下、それらのコース詳細を紹介します。

Ⅰ総合対策コース

令和7年度のエイジフレンドリー補助金には、職場で高年齢者が安全に働ける環境づくりを後押しする「総合対策コース」が用意されています。
このコースの特徴は、60歳以上の労働者が抱える身体的な変化や特性に配慮し、専門家によるリスクアセスメント(職場の危険性の洗い出し)を受けた際にかかる費用が補助対象となること。

さらに、そのアセスメント結果をもとに実施するリスクの高い項目から優先的に改善するための対策費用も、補助の対象に含まれます。

少子高齢化が進む中、こうした制度は「高年齢者の戦力化」を推進するうえでも非常に心強い支援策と言えるでしょう。

Ⅱ職場環境改善コース

高年齢者が職場で安心して働き続けるためには、心身への配慮が欠かせません。

「職場環境改善コース」は、60歳以上の労働者の“働く現場”を見直すための設備投資や工事をサポートしてくれる制度です。加齢によって低下しがちな身体機能を補う装置や設備の導入、またそれに付随する工事などの労働災害防止対策費用が補助対象となります。

実際の取り組みとしては、以下のような例があります。

  • 転倒・墜落を防ぐための床材や手すりの整備
  • 重量物の持ち運びや介護作業にともなう無理な動作の軽減(アシストスーツや昇降装置など)
  • 夏場の現場での熱中症対策(空調設備や冷却ベストの導入など)
  • その他、高年齢者特有の労働災害リスクに対応した職場環境の整備

高齢社会を迎えるいま、企業としても「年齢に関わらず安心して働ける職場づくり」が求められています。

熱中症予防対策プラン

60歳以上の高年齢労働者が安全に働けるよう、暑熱な環境による熱中症予防対策として身体機能の低下を補う装置の導入に要する経費が補助対象です。

補助対象は屋外作業等における体温をさげる機能のある服や、スポットクーラー等、労働者の体表面の冷却を行うために必要な機器の導入や、効率的に身体冷却を行うために必要な機器の導入などが対象です。

年々厳しさを増す夏の暑さ。特に屋外や空調の効きづらい作業環境では、熱中症のリスクが高まりやすくなります。
加齢に伴い体温調節機能が低下しがちな60歳以上の高年齢労働者にとっては、まさに命に関わる問題です。

令和7年度のエイジフレンドリー補助金「職場環境改善コース」では、熱中症予防を目的とした装置や機器の導入費用も補助対象となっています。

具体的には、以下のような設備や機器の導入に活用できます:

  • 空調服や冷却ベストなど、体温を下げる機能を持つ作業着
  • スポットクーラーやミストファンなど、作業空間を局所的に冷やす機器
  • 効果的に体表冷却ができる冷却装置や給水設備

いずれも「高年齢者の身体機能を補う」という観点で評価されるため、作業環境に合わせて無理のない熱中症対策を講じることができるのがこの補助制度の魅力です。

Ⅲ転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース

高年齢化が進む中、職場での転倒や腰痛といった“行動災害”のリスクは見過ごせない課題です。
こうした身体的なリスクを予防するには、作業環境の整備に加えて、労働者自身の「身体づくり」も重要な対策のひとつです。

令和7年度のエイジフレンドリー補助金の一環として用意されている「転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース」は、そんな現場の“転ばぬ先の杖”となる制度です。

このコースでは、以下のような専門的な支援が補助対象となります。

  • 理学療法士や健康運動指導士などの専門家を職場に招き、対象者の身体機能をチェック
  • チェック結果に基づき、労働者一人ひとりに合った運動指導(対面指導)を実施
  • 運動の効果や身体機能の改善等の再評価

つまり“測定 → 指導 → 効果確認”の流れが一貫して補助の対象となるのがポイントです。

高齢の従業員にとっても無理なく続けられるプログラムを設計できるため、腰痛や転倒による離職や労災を未然に防ぐことにつながります。

Ⅳコラボヘルスコース

従業員の健康を“会社任せ”や“個人任せ”にしない、新しい健康支援のあり方として注目されているのが「コラボヘルス」です。

これは、事業者と医療保険者が連携し、健康管理や増進に取り組む体制のこと。令和7年度エイジフレンドリー補助金の「コラボヘルスコース」は、こうした協働体制の構築と運用を後押しする支援策です。

具体的には、以下のような取り組みが補助対象となります:

  • 健康診断結果をもとにした禁煙指導やメンタルヘルス対策
  • 産業医・保健師による健康教育や研修の実施
  • 健診データの電子化やスコアリングレポートの活用促進するシステム導入
  • 栄養指導やメタボ予防のための運動指導プログラム

これらを通じて、従業員全体の健康意識が高まり、職場全体の活性化にもつながります。
特にメンタル不調の予防や生活習慣病の早期改善は、離職防止・生産性向上にも直結する重要テーマです。

令和6年度エイジフレンドリー補助金からの変更点

比較

令和6年度のエイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者の労働災害防止コースと転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コースとコラボヘルスコースの3種類が対象でしたが、令和7年度からコースが4種類になり、新たに「総合対策コース」「職場環境改善コース」が加わりました。

昨年度からの新しい「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」は、労働者の身体機能低下による「転倒」や「腰痛」の労働災害を防止することを目的としており、専門家による運動プログラムや身体機能のチェックが対象です。それらにかかる費用を支援し、補助率は4分の3で、上限は100万円となっており、理学療法士、健康運動指導士などの専門家による転倒・腰痛予防の運動指導が提供され、対象年齢に制限はありません

そのため、より多くの労働者が専門家による運動指導を受けることができます。現代では腰痛に悩む労働者が増加しているため、この新しいコースの誕生は働く人々の健康維持につながります。また、職場全体の安全性や生産性の向上にも寄与するでしょう。

エイジフレンドリー補助金の要件・対象

対象

それでは、エイジフレンドリー補助金の4つのコースの対象を詳しく説明します。

Ⅰ総合対策コース

■対象事業者

・中小企業事業者、1年以上事業を実施していること
・役員を除き、自社の労災保険適用の高年齢労働者(60歳以上)が常時1名以上就労していること
・対象の高年齢労働者が補助対象に係る業務に就いている

■補助対象
・労働安全衛生の専門家によるリスクアセスメントに要する経費

・リスクアセスメント結果を踏まえた、優先順位の高い労働災害防止対策に要する経費

■補助率
4/5

■上限額
100万円(消費税を除く)

■補助対象となる取組
〇専門家による、高年齢労働者の労働災害の防止のためのリスクアセスメントを受ける
〇上記のリスクアセスメント結果を踏まえた優先順位の高い労働災害防止対策を事業者が実施する

※厚生労働省HPより引用

Ⅱ職場環境改善コース

■対象事業者
・中小企業事業者、1年以上事業を実施していること
・役員を除き、自社の労災保険適用の高年齢労働者(60歳以上)が常時1名以上就労していること
・対象の高年齢労働者が補助対象に係る業務に就いている

■補助対象
高年齢労働者の身体機能の低下を補う設備・装置の導入その他の労働災害防止対策に要する経費

■補助率
1/2

■上限額
100万円(消費税を除く)

■補助対象となる取り組み
〇転倒・墜落災害防止対策
〇重量物取扱いや介護作業における労働災害防止対策(動作の反動・無理な動作対策)
〇熱中症対策
〇その他の高年齢労働者の労働災害防止対策

※厚生労働省HPより引用

職場環境改善コース(熱中症予防対策プラン)

■補助対象

60歳以上の高年齢労働者が安全に働けるよう、暑熱な環境による熱中症予防対策として身体機能の低下を補う装置の導入に要する経費

Ⅲ転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース

■対象事業者
・中小企業事業者、1年以上事業を実施していること
・役員を除き、自社の労災保険適用の労働者(年齢要件なし)が常時1名以上就労していること

■補助対象
転倒防止:労働者の転倒災害防止のため、専門家による身体機能のチェック及び専門家による運動指導を受けるために要する経費

腰痛予防:労働者の腰痛災害の予防のため、専門家による身体機能のチェック及び専門家による運動指導を受けるために要する経費

■補助率
3/4

■上限額
100万円(消費税を除く)

■補助対象となる取り組み
労働者の身体機能低下による「転倒災害」や「腰痛災害(行動災害)」を防止するため、身体機能の維持改善を目的とする専門家等による運動プログラムに基づいた身体機能のチェック及び専門家等による運動指導等に要する費用を補助対象とします。

※厚生労働省HPより引用

③ コラボヘルスコース

■対象事業者
・中小企業事業者、1年以上事業を実施していること
・役員を除き、自社の労災保険適用の労働者(年齢要件なし)が常時1名以上就労していること

■補助対象
事業所カルテや健康スコアリングレポートを活用したコラボヘルス等、労働者の健康保持増進のための取組に要する経費

■補助率
3/4

■上限額
30万円(消費税を除く)

■補助対象となる取り組み
労働者の健康保持増進のための次の取組に要する費用を補助対象とします。

  • 健康教育・研修等:健康診断結果等を踏まえた禁煙指導、メンタルヘルス対策等の健康教育、研修等 ※産業医、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、労働衛生コンサルタント等によるもの。
  • システムの導入:健康診断結果等を電磁的に保存及び管理を行い、事業所カルテ・健康スコアリングレポートの活用等によりコラボヘルスを推進するためのシステムの導入(初期導入費用のみで、パソコンの購入は対象外)。             
  • 栄養・保健指導:栄養指導、保健指導等の労働者への健康保持増進措置(健康診断、歯科健康診断、身体機能のチェックの経費は対象外)。 ※専門家との対面による実施に限る。

※厚生労働省HPより引用

エイジフレンドリー補助金の補助率・上限額

金額

① 総合対策コース
補助率:4/5  上限額:100万円(消費税を除く)

① 職場環境改善コース
補助率:1/2  上限額:100万円(消費税を除く)

② 転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース
補助率:3/4  上限額:100万円(消費税を除く)

③ コラボヘルスコース
補助率:3/4  上限額:30万円(消費税を除く)

※厚生労働省HPより引用

補助金の申請から補助金交付までの流れ

フロー

令和7年度のエイジフレンドリー補助金交付の流れについてです。

令和7年度は、「総合対策コース」、「職場環境改善コース」、「転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース」、「コラボヘルスコース」の4種類があります。これらの補助金を利用するためには、以下の手順を踏んでください。

①交付申請書類提出
まずは実施したいコースを選択する必要があります。コース選択後、交付申請書類をダウンロードし、必要事項を記入します。この交付申請書類には、取り組みを実施する事業所名や実施方法、実施した後の期待される効果などを記入します。

②審査
申請書の記入が完了したら、書類を提出し審査結果を待ちます。交付申請書類は月末に取りまとめその翌月に審査を行うため、審査結果には約2カ月の時間を要します。例えば、令和7年7月1日から7月31日の間に申請を提出すれば、審査期間は8月となり、結果連絡は8月31日から9月上旬になります。そのため、対策を実施するのは、9月上旬以降です。

③交付決定
申請が通った場合には、申請者宛に交付通知書が郵送されます。万が一申請に通らなかった場合にも、申請担当者宛にメールが届きます。

④発注・購入(施工)
交付決定通知書が手元に届いた後に、運動指導の実施や物品の購入などの対策を行います。もし、交付通知書が手元に届く前に対策を実施した場合には、補助金は支払われませんので、ご注意ください。

⑤完了
対策実施完了後、支払い請求書類を作成し郵送します。

⑥支払請求書類提出

⑦補助金確定

⑧補助金交付

提出された支払請求資料を確認した後、補助金の確定と交付を行います。令和7年度の交付申請書類受付期間は、令和7年5月15日から令和7年10月31日であり、支払い請求資料提出期限は令和8年1月31日です。期限を超えて提出した場合には、補助金の支払いはできないため、期日を必ずお守りください。ただし、交付決定額予算に達した場合、申請受付期間中であっても受付が締め切られるため、できるだけ早くの申請をおすすめします。

以上が、令和7年度のエイジフレンドリー補助金交付の流れとなります。より多くの労働者の安全と健康を確保するため、適切な手続きを行いましょう。

エイジフレンドリー補助金の採択率とは?

エイジフレンドリー補助金の採択率は公表されていないため、正確な割合を出すことはできません。しかし、年々補助金の採択額は増加しており、活用できる割合も上がってきているといえます。

まずは申請が通るよう、申請書を確実に記入する必要があります。申請書には、取り組みを実施する事業所名や実施方法、実施した後の期待される効果などを記入する必要があるため、記入漏れやミスがないように正確に記入し、提出しましょう。

また、エイジフレンドリー補助金の特長として、申請期間内であっても交付決定額予算の上限に達すると急遽打ち切られてしまいます。そのため、この補助金の活用を考えている企業はできるだけ早く申請書を提出し、対策を実施することがおすすめです。ぜひこの補助金を利用して従業員の健康を守りましょう。

エイジフレンドリー補助金の事例

出前からだ測定会
「オフけん 出前からだ測定会」の様子

エイジフレンドリー補助金を活用した事例がオフィスに健康を届ける「オフけん」にあります。転倒防止や腰痛予防をテーマにしたからだ測定会や運動セミナーを開催しています。参加者は自分のからだを理解し、個々に合った運動指導を受けることができます。以下、「オフけん」のサービスをご案内いたします。

オフけん「エイジフレンドリー補助金利用健康経営プラン」

オフィスに健康を届ける「オフけん」では、エイジフレンドリー補助金を活用した「出前からだ測定会」や「健康セミナー」を実施しています。

この測定会には3つの種類があり1つ目は、体成分測定です。体重、体脂肪率、全身の筋肉量、部位別の筋肉量、体水分量、内臓脂肪レベルなどを機械に乗って測定します。測定時間は約1分で測定後結果表がすぐにプリント印刷されます。

2つ目は、体力測定です。種目として、握力、目つぶりバランス、垂直跳び、反射神経、前屈、腹筋30秒チャレンジの6種目があります。こちらも測定後すぐに結果がプリント印刷され、ご自身の体力年齢や種目ごとの評価を知ることができます。

3つ目は、AI姿勢測定です。専用のアプリを用いて、立位姿勢を撮影することで、AIが自動的にからだのズレや未来姿勢などを解析します。測定時間は約1分で、結果はご自身のスマートフォンにも反映することが可能です。

これらの測定後には転倒、腰痛予防を中心に個々にあったカウンセリング、運動指導を実施します。

「出前からだ測定会」だけでなく、簡単なトレーニングやストレッチなどの実技も取り入れた「健康セミナー」も実施しています。例えば、転倒予防には下半身の筋肉向上が重要です。そのため、スクワットやふくらはぎのトレーニングなどをその場で実施します。ストレッチは椅子に座ったままでも実施可能であり、手軽に実践できる点が魅力です。オフィスでできるトレーニングやストレッチを紹介するため、セミナー後も役立つ内容となっています。

ぜひエイジフレンドリー補助金を活用して従業員のからだを見直してみませんか。

▶「オフけんエイジフレンドリー補助金利用健康経営プラン」のサービス詳しくはこちら

※過去にエイジフレンドリー補助金を活用した企業は対象外です。

まとめ

エイジフレンドリー補助金を活用することで、何よりも従業員の健康度が向上します。現代は超高齢社会といわれており、60歳を超えても働いている方がたくさんいます。

現在の定年は65歳とされていますが、今後はもっと長く働く社会になるかもしれません。医療の発達により平均寿命は増加していますが、健康寿命との差は依然として大きいです。

そのため、誰もがより長く健康に生きていくために、会社として従業員の健康を守ることは非常に重要です。ぜひこの機会に補助金を活用し、従業員の健康意識向上につなげてみてはいかがでしょうか。

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