2025年12月の商品値上げ状況は?値上げの原因や企業ができる対策や支援を解説

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公開日:2025年11月26日
所員:すずき
この記事の概要

こんにちは!福利厚生の強化や健康経営をサポートする心幸グループです。

2022年以降、毎月のように多数の商品値上げのニュースを聞いていると感じることはないでしょうか。実際、世界情勢や経済状況などを理由として多くの商品の値上げが続いており、2025年も数多くの商品が値上げとなりました。

生活に必要な飲食料品を含む商品の値上げは家計への大打撃となり、経済的な負担が増えていることを実感されている方は多いことでしょう。そこで本記事では、2025年の値上げ状況のほか、近年の商品値上げの原因や企業ができる対策・支援について解説します。

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目次

2025年の値上げ状況

2022年頃から、食料品や飲料品をはじめとしてさまざまな品目が値上げとなっています。いわゆる「値上げラッシュ」と呼ばれる状態が続いていましたが、2025年はさらに多数の品目が値上げとなり、家計を直撃しています。

2025年11月までの値上げ品目数

帝国データバンクが実施した価格改定動向調査によると、2025年11月の時点での飲食料品の値上げ品目は、2万34品目です。これは前年の2024年と比較しても多い水準です。

11月単独で見ると、値上げ品目数は他の月よりも少ない143品目で、2025年で最小品目数となっています。そもそも11月は年末を控えた時期であること、4月や10月などの価格改定の時期にはあたらないことなどが、値上げ品目数が少ない理由として挙げられます。

なお、2025年12月にも値上げを予定している品目があることから、最終的に2025年全体での値上げ品目数は2023年の3万2,396品目以来に次ぐ多さの、2万580品目と見込まれています。

参考/帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年11月」

商品価格が値上げされる原因

この数年、消費者にとっては毎月あらゆる商品の価格が上がっていると実感せざるを得ない状況が続いているのではないでしょうか。なぜ商品価格は、これほどまでに値上げされるのでしょうか。その原因は日本国内の生産者のみならず、世界情勢も大きく関わっています。

原材料価格の高騰

商品値上げの第一の理由が、原材料価格の高騰です。原材料そのものの価格が上がってしまうと、加工した商品の価格も上がってしまうことは明らかでしょう。

原材料価格が高騰する原因はさまざまです。ひとつは、円安が続いている点です。急激な円安は輸入品の価格を上げる要因となるため、輸入品に頼っている産業では仕入れコストが増え、そのコストが商品価格に転嫁されて値上げとなってしまうのです。

円安が続く原因は、日本の金融緩和政策、他国との金利差が挙げられます。日本では、デフレ対策のために日本銀行が民間銀行から預かる当座預金にマイナス金利を適用していました。多くの国がインフレに対抗するために利上げを行っている中、金融緩和を行っている日本は利上げを行わなかったため金利が上がらず、他国との政策金利の差が大きくなりました。投資家は利回りの高い通貨で運用したいと考えるため、円を売ってドルなどの外貨を買う動きが強まることにより円の価値は下がり、現在に至るまで超円安の状態が続いています。

日本銀行は2024年3月にマイナス金利を解除して政策金利を引き上げ、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)も2022年より引き上げてきた政策金利を2024年9月に引き下げましたが、極端な円高にはなっておらず、円安の状態からは抜け出せてはいません。

2022年から続くロシアによるウクライナ侵攻も、原材料価格の高騰の一因となっています。ロシアとウクライナはどちらも穀物の輸出大国でしたが、戦争によって輸出量が激減したことによって穀物が値上がりしたことが、その理由です。また、世界的な気候変動による異常気象も農産物の生産量に影響しています。

このような複合的な要因が、現在の商品価格の値上げにつながっているといえます。

エネルギー価格の高騰

ロシアによるウクライナ侵攻とともに、不安定な中東情勢でエネルギー価格が高騰しています。欧米や日本の経済制裁の影響によるロシアからの石油やガスの輸出減少、中東の産油国での石油生産量の減少により、エネルギー需要に対する供給が不足していることが、高騰の原因となっています。

ガスや電気の価格が上がると輸送費も上がることはもちろん、数多くの産業で使用されているエネルギー価格も上がるため商品価格に転嫁されてしまうことが商品価格の値上げとなっています。

人件費の高騰

商品を生産するには、人手が必要です。しかし、少子高齢化や2020年以降の新型コロナウイルス感染症流行などにより、製造現場などでの人手不足はより深刻化しました。現在は感染症の影響は収まってはいるものの、需要に対する供給が追いついていない現場が多いことも問題となっています。

商品の流通に欠かせない物流業界でも人手不足が深刻で、さらに再配達の増加やトラックドライバーの労働環境改善のための時間外労働規制も行われていることから、配送にかかる人件費も高騰しています。

そのため、物流費と商品の製造現場と物流業界双方の人手不足によって高騰した人件費の両方がも、商品価格に転嫁されていると考えられます。

2025年12月の商品の値上げ状況は?

2025年11月の値上げ品目は他の月よりも少なかったものの、それまでの期間に多数の品目が値上げされている状況でした。では、2025年最後の月となる12月はどのような値上げ状況となっているのでしょうか。

ホリデーシーズンの12月は値上げ品目が少なめに

帝国データバンクの価格改定動向調査によると、2025年12月の値上げ品目は109品目で、11月よりもさらに少なくなっています。これは、12月がお歳暮やクリスマス、年末を控える時期であるため、値上げによる買い控えを抑えるために値上げ品目を抑えているという向きがあります。

また、11月と同様に12月も価格改定のサイクルに該当しないため、値上げのタイミングとなりにくいことも、12月の値上げ品目が少なめである理由です。

参考/帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年10月」

10月までの値上げで家計に影響も

2025年は11月、12月の値上げ品目が多くはないため値上げラッシュも小休止、という印象があります。しかし10月までの値上げ品目が多かったため、物価高が落ち着いたと感じられることは少ないでしょう。

2025年は4月と10月だけでそれぞれ3,000品目以上が値上げされているため、これまでの値上げが家計に影響する可能性は十分に考えられます。

企業が値上げに対してできる対策や支援例

商品の値上げは、飲食料品などの日常生活を送る上で必要不可欠な物品に対しても行われているため、家計への影響が大きいものです。値上げは各家庭で深刻な問題となっていることから、自社で働く従業員に対して値上げ対策や支援を行っている企業があります。

具体的に企業はどのような対策や支援ができるのか、すでに実施されている対策や支援を実例を交えてご紹介します。

一時金の支給

物価高に対応するために、企業が一時金として「インフレ手当」を支給する例があります。インフレ手当とは、食料品や光熱費などの値上げに応じて企業が従業員に支払う特別手当の一種です。インフレ手当の支給方法は、給与に加えて支給する一時金のほか、月額手当として毎月の給与に上乗せする方法、賞与のように支給する方法の3種類があります。

値上げラッシュが始まった2022年に帝国データバンクが実施した「インフレ手当に関する企業の実態アンケート」によると、「インフレ手当を支給した」と回答した企業は6.6%でした。「支給を検討している」の5.7%、「支給はしていないが検討中」の14.1%を合わせると、26.4%の企業が物価高対策としての一時金支給に取り組んでいることがわかっています。一時金以外にも、賃金改定時に賃上げを行うことで物価高対策を行う企業もありました。

前述の帝国データバンクによるアンケートによれば、インフレ手当の平均支給額は月額6,500円、一時金5万3,700円でした。支給方法や支給額は企業によって異なり、すべての従業員に一律で同額を支給したケースもあれば、就業時間に応じた額を支給したケースもあります。

同アンケートは最新のデータがないものの、2022年以降も物価の上昇は著しいため、当時よりも一時金や賃上げで物価高対策をしている企業は多いとみられます。

参考/帝国データバンク「インフレ手当に関する企業の実態アンケート」

福利厚生の充実

福利厚生を充実させることも、インフレ手当などの一時金や賃上げ以外の企業ができる値上げ対策となります。特に毎日の食事に必要となる食料品の価格上昇が顕著であるため、食事補助は家計への負担削減のための支援として効果的な方法のひとつです。

食事補助には、社員食堂での食事提供や置き社食の活用、食事代に利用できるカードやチケットの支給などがあります。このような福利厚生を導入することで、従業員の食事にかかる経済的負担を軽減できるでしょう。

従業員の食をサポートする心幸グループの福利厚生

企業向けの福利厚生を支援する心幸グループでは、値上げ対策としても活用できる食に関わる福利厚生を提供しています。

健康的で多彩なメニューを味わえる社員食堂・カフェテリアの運営や気軽に食べられる惣菜や弁当を常備できる置き社食・ミニコンビニ、キッチンカー・屋台派遣など、従業員の食費をサポートしながら食事を楽しめるさまざまなサービスを企業のニーズに合わせて導入可能です。

まとめ

商品値上げの原因となっている原材料価格やエネルギー価格の高騰、円安などは2025年11月現在、改善の見通しは立っていない状況といえるでしょう。酒類や乳製品、菓子などの値上げが決定されており、2026年以降も引き続き商品の値上げは続くことが見込まれます。また、鉄道運賃の改定や外食業界での値上げも予定されており、今後も家計への負担は増えていくでしょう。

このような中で企業ができる対策としては、前述したインフレ手当などの一時金支給や賃上げ、福利厚生の導入・活用があります。2026年以降も続くと予想される値上げに対抗する企業の対策は、今後も注目されるでしょう。

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