中国の輸入規制・管理強化の影響は?現状や対策を解説
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中国は2025年11月、2023年8月より規制を行っていた日本の水産物輸入を再開しましたが、その後外交・政治的事情により、水産物の輸入規制が再開されました。再度輸入規制が行われたことにより、日本国内の企業にはどのような影響があるのでしょうか。本記事では、2025年に再開された中国の輸入規制の背景や現状とともに、企業へ与える影響と行うべき対応について解説します。
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目次
中国の輸入規制の現状

2025年現在、中国は日本に対して多くの品目の輸入規制を行っています。
中国が輸入規制をしている品目
中国は2023年8月以降、産地別に以下の品目を日本からの輸入規制の対象としています。
・宮城県、福島県、栃木県、茨城県、群馬県、埼玉県、東京都、千葉県、長野県:すべての食品・飼料を輸入停止
・新潟県:米に対しては上記9都県以外で生産されたことを証明する産地証明書が必要。米以外は輸入停止
・上記10都県以外:野菜及び野菜製品、乳及び乳製品、茶葉及びその製品、薬用植物産品は産地証明書、中国の放射性物質基準に適合することを証明する放射性物質検査証明書が必要だが、ストロンチウム90等の分析報告を必要としているため実質的に輸入停止。水産物は産地証明書とともにセシウム 137、134、ヨウ素 131を輸入ロットごと、ストロンチウム 90、トリチウムは初回輸出時に検査実施した上で輸入ロットごとにそのコピーの添付が必要。その他の食品・飼料は産地証明書が必要。
このうち、2025年11月にホタテの禁輸措置が再開されたものの、すぐに輸入規制が行われたことから、現状は中国への日本産水産物は輸入停止の状態となっています。
参考/農林水産省「中国の輸入規制の概要(2025 年6月 29 日以降)」
中国の輸入規制による影響が大きい産業
中国の水産物輸入規制によって影響が大きい企業としてまず挙げられるのは、水産物を取り扱う水産関連企業です。水産物の輸入規制による影響は水産物を取り扱う企業のみならず、水産加工・販売業や食品業にも及びます。そのため、これらの企業にとっても輸入規制の影響は大きいとみられます。
参考/帝国データバンク「中国の対日輸入規制による日本企業の影響調査(2025年)」

中国へ輸出を行う企業の現状

日本企業は、中国向けに水産物をはじめとしてさまざまな製品やサービスを輸出しています。現在、どの程度の企業が対中輸出を行っているのか、帝国データバンクによる調査を元に解説していきます。
参考/帝国データバンク「中国の対日輸入規制による日本企業の影響調査(2025年)」
日本から中国へ輸出を行う産業
2025年10月現在、業種を問わず中国向けに輸出を行っている企業は、9,250社あります。このうち、日本から対中輸出を行う産業のうち最も多いのは設備・機械の3,498社で、全体の37.8%を占めています。
次いで割合が多いのは、前述の水産関連企業を含む食品の733社で、金属や繊維産業が続いています。
輸出企業数の推移
上記の対中輸出を行う産業の割合から見ると、食品の割合は7.9%と1割にも満たない状況です。帝国データバンクの調査によれば、食品の輸出企業のうち水産品の取り扱いを行う172社は1.9%を占めており、2023年の輸入規制時の164社よりも微増しています。

中国の輸入規制が日本の企業へ与える影響は?

今回、中国は一度緩和した輸入規制を再開しました。この状況は、日本の企業にどのような影響を与えるのでしょうか。
参考/帝国データバンク「中国の対日輸入規制による日本企業の影響調査(2025年)」
2023年時の輸入規制よりも影響は限定的
2023年に中国が輸入規制を実施したときと比較すると、2025年の状況は限定的といえます。その理由は、前回の輸入規制時に対中輸出で打撃を受けた企業が日本向け販売へシフト、またはアメリカや東南アジア諸国など中国以外の他国へ販路を広げた動きがあるからです。その結果、前述の輸出企業数の推移では対中輸出を行っている水産品を取り扱う企業数は微増してはいるものの、対中販売シェアについては、2023年と比較すると縮小しているとのことです。
2023年当時は中国国内における日本食ブームによって日本の水産物の需要が高かったことから、従来は中国向けが占める割合が多い傾向がありました。そのため、輸入規制が行われた際に水産物を取り扱う企業にとって中国の輸入規制は大きな悪影響がありました。しかし2025年の輸入規制再開では、2023年時の不安定な状況を打破するための対策が活きています。さらに、海外においては中国以外の国でも日本の水産物は需要が高くなっているため、輸出価格は上昇していることもあり、影響は幾分抑えられているといえます。
ただし、今後中国がさらなる規制範囲拡大を行う可能性はあります。その内容によっては、さらなる影響も予想されるでしょう。
中国の経済的圧力が強まる可能性も
中国の輸入規制は、水産物だけに限ったことではありません。その他の製品に対しても輸出規制を行い、経済的圧力をかけています。例えば、2026年に入ってから中国税関は日本酒や日本食品の検査強化を行い、通関手続きが遅れていることが報道されています。このようなケースは中国の共産党指導部の指示ではなく現場の独自判断ということから、徐々に解消しているとのことです。
また、中国は輸入規制だけではなく、輸出規制も行っています。2026年1月、中国は軍事目的などに利用可能な軍民両用製品(デュアルユース)や、半導体などの製造に欠かせないレアアースの輸出厳格化を発表しています。このように、日中間の関係悪化が経済的圧力となり、輸出入規制以外にも多方面へ制限がかかるなどの影響となる可能性がある点が懸念されています。
状況によっては企業の売上に関わる
過去にも日中間の関係悪化により、中国が輸入規制時を実施したケースはありました。そのため、中国への輸出が一極集中することはリスクが大きいといえます。前述したように、実際に2023年の輸入規制で中国への一極集中によるリスクを分散し、中国に依存することで起こり得る、いわゆる「チャイナリスク」に備える動きはありました。しかし今後中国が輸入規制にとどまらず、日本へのさらなる輸出規制を行う可能性はゼロではありません。
水産庁が公表している令和6年度水産白書によると、日本の水産物輸入先は中国が19.3%で最も割合が多いですが、これは加工した水産物も含まれます。中国が第三国から輸入・加工した水産物を日本が輸入することが多く、人件費の安さから中国に加工工場や拠点を置いている企業も少なくありません。
もし中国が輸出規制を行った場合、中国国内で加工済みの水産物の輸入がストップするリスクが考えられることから、企業の売上に大きく関わる可能性も考えられるでしょう
輸出入規制によって予想される消費者への影響
輸入規制や輸出規制は、中国に限らず他国によって行われることもあります。その例として、2011年の東日本大震災時は東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、多数の国で日本産食品の輸入規制が行われました。
2026年現在は多くの国で輸入規制は撤廃されていますが、今後、何らかの理由で海外諸国と日本の間で輸出入規制が行われる可能性がないとはいえません。中国に限らず、輸出入規制が行われた場合、消費者に以下のような影響を与えることが予想されます。
物価の上昇と供給不安
日本の食料自給率は、摂取カロリーに対する割合の「カロリーベース総合食料自給率」、食料生産学に対する国内生産割合の「生産額ベース総合食料自給率」の2種類で算出されています。農林水産省が公開している2024年の食料自給率は、カロリーベースで38%、生産額ベースで64%といずれも高い水準とはいえません。つまり、多くの割合を海外からの輸入に頼っているのが現状です。
そのため、もし海外で食品の輸出規制が行われた場合、輸入品の価格が上昇し、それに伴い物価も上昇する恐れがあります。食品以外でも、工業製品などの輸出規制が行われたとすると、電子機器などの供給にも影響が考えられ、企業へのコスト増となります。このコストは商品価格に転嫁されるため、結果的に消費者の負担が増すでしょう。
加えて、供給数が減少して不安定になり、品目によっては品薄で入手困難となる場合もあるでしょう。
生活費の負担増加
物価が上昇すると、当然ながら生活費の負担も上がります。供給が不安定になり入手できる品目が減少して選択肢も減ると、従来よりも高い価格の商品を購入しなければならない場面も出てくるでしょう。
また、日本の自給率はエネルギーにおいても低い水準です。日本は資源が乏しいため、エネルギー自給率は2022年時点で12.6%です。90%近い割合を輸入に頼っているのが現状なので、もしエネルギー関連の輸出規制が海外で行われた場合、各家庭の光熱費に転嫁されるのはもとより、商品生産コストも上昇するため、生活に必要な光熱費と物価の上昇で、生活費の負担が大きく増加するでしょう。
参考/資源エネルギー庁「日本のエネルギー自給率は1割ってホント?」

企業が中国の輸入規制に対応するには

2025年の中国による輸入規制は、2023年時に各企業が行ったリスク分散により、以前よりも悪影響は抑えられると見込まれています。しかし、今後、さらなる輸入規制が行われる可能性は否定できないため、対中輸出を行う企業は、輸入規制に対応することが重要となるでしょう。
リスク管理を徹底する
中国を相手にした輸出は、中国の対日感情の悪化に伴う経済的圧力などのリスクが大きいとされています。対中輸出を行う際は、そのようなチャイナリスクを見越した対応を徹底が求められます。
販路の大半が中国、または事業所や製造拠点を中国国内に置いているなど中国への依存度が比較的高い企業の場合、輸入規制が行われた場合に備えて事業・製造拠点の他国への移管などを検討する必要はあるでしょう。すでに2023年の輸入規制の時点で販路を広げていた企業であっても、販売先の割合を変更するなど、企業への影響をできるだけ減らすためにも、対中輸出にかかわるリスク管理は今後も重要となるでしょう。
販売先を分散する
中国へ輸出先を一極集中させることは、中国によって輸入規制が行われた際の影響が大きくなることは明らかです。中国依存から脱し、販売先を他国へ分散させることもリスク管理の一環となります。
すでに2023年の輸入規制時に販売先を第三国へ分散させていたことで、2025年の影響を抑えられている企業もあるといいます。しかし、今後中国の輸入規制の範囲が広がることも想定されるため、輸出先を中国に依存している企業は、今後販売先の見直しなどを行うことがチャイナリスクへの対応として有効な方法となるでしょう。
企業内でのサポートを行う
対中輸出を行っている企業において、輸入先による影響が企業内に及ぶと、従業員への業務負担が増える恐れがあります。他国へ販売先を分散させるにも、新たな取引先との交渉や契約などの販路開拓のための業務が増加し、その結果従業員が疲労やストレスを抱えやすくなり、オフィス環境が悪化することもあるかもしれません。
輸入規制に関わる業務増加に伴い、従業員への負担が増加する場合は、企業は従業員に対してタスクの見直しやツール導入などの業務負担軽減策に加えて、業務量増加によって起こる身体的・精神的負担によるストレス軽減策などを講じることも、企業ができる輸入規制への対応策となるでしょう。

まとめ
2025年、一度緩和された中国の日本産水産物の輸入規制が再開されました。これにより、主に水産物を取り扱う日本企業には再度影響が及ぶことが予想されます。過去の輸入規制時に対応した企業が多かったことから、今回の輸入規制による影響は限定的という見方がある一方で、輸入規制再開の引き金となった台湾有事発言が撤回されていない状況から、今後も輸入規制が継続し、規制範囲が広がることも懸念されています。
国際情勢が関わる状況に対抗するには、対中輸出を主としている企業はリスク分散のために第三国への販路開拓などの対応が必要となることがあるでしょう。それに伴い、従業員は業務負荷の増加による疲労やストレス増加などの身体的・精神的な悪影響を感じる可能性があるため、企業が従業員に対してサポートを行うことも重要です。
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