【徹底解説】第三の賃上げとは?福利厚生で給与アップを実現する方法と企業のメリット。波に乗り遅れないための施策を紹介
こんにちは!福利厚生の強化や健康経営をサポートする心幸グループです。
物価高騰や人材不足が続くなかで、多くの企業が「賃上げ」を課題として抱えています。
しかし、単純な給与アップは企業の負担が大きく、特に中小企業にとっては簡単な決断ではありません。
そこで近年、注目を集めているのが「第三の賃上げ」です。
給与の直接的な増額だけでなく、福利厚生や税制優遇を活用して実質的な手取りを増やす仕組みによって、企業のコスト効率と従業員の満足度を同時に高める施策として話題になっています。
本記事では、「手取りの最大化」とも呼ばれる「第三の賃上げ」の基本概念から福利厚生との関係、導入のメリット・デメリット、先行事例である最新トレンドを詳細に解説します。
福利厚生/健康経営/意識調査等に関するお役立ち情報資料(無料)をダウンロードする〉〉
目次
第三の賃上げとは?その基本と重要性を解説

従来型の「給与を増やす=額面を上げる」という常識が揺らいでいる今、新しい賃上げの形である「第三の賃上げ」に注目が集まっています。
「第一の賃上げ」や「第二の賃上げ」とは異なる「第三の賃上げ」の定義と、なぜ今この概念が現代ビジネスにおいて急速に重要視されているのか、その背景を深掘りしていきましょう。
「第三の賃上げ」の定義と背景を解説
「第三の賃上げ」とは現金による直接的な給与の支給ではなく、企業が提供するサービスや現物支給(福利厚生)を通じて従業員の生活コストを肩代わりし、実質的な手取り額を増やす仕組みを指します。
言い換えれば、実質的な手取りのアップや暮らしの負担軽減につながる取り組みとして、福利厚生を活用した賃上げともいえます。
これまで日本の賃上げでは、年次や勤続年数に基づく「定期昇給」(第一の賃上げ)や、給与水準そのものを底上げする「ベースアップ」(第二の賃上げ)が主流でした。
しかし、第一の賃上げや第二の賃上げによって額面給与を増やすと、連動して社会保険料や所得税も上昇することから、「給与」として支給するよりも「福利厚生」のほうが従業員の実質的な手取りが多くなる点が注目され、近年は第三の賃上げの魅力が高まっています。
つまり、企業側がかけるコストをそのままの価値で従業員に届けやすい仕組みとして、食事補助や健康支援などを含む「第三の賃上げ」が急速に広がっているのです。
なぜ今「第三の賃上げ」が叫ばれているのか?
「第三の賃上げ」が急速に広がっている背景には、政府の指針や経済状況の変化が深く関わっています。
総務省統計局の「消費者物価指数」によれば、日本では近年、食品やエネルギーを中心に物価上昇が続いています。特に日常生活に直結する食料品は上昇率が高く家計負担の増加が顕著ですので、日々の生活を直撃しています。
また、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によれば、名目賃金(額面)が増加していても、物価上昇を加味した「実質賃金」は20ヶ月以上連続でマイナスを記録する事態が発生していることからも、これまでよりも即効性のある生活支援が求められています。
このような状況下においては、働く側には「給与は上がったはずなのに、生活が苦しい」という不満が強く、仕事へのモチベーション低下の大きな要因にもなっています。
従業員の幸福度を上げる施策が早急に求められる背景からも、第三の賃上げが声高に叫ばれている実態があるのです。

【賃上げ効果】「第三の賃上げ」と福利厚生の深い関連性を解説

第三の賃上げを成功させるポイントは「福利厚生」の戦略的な活用にあります。
従来型のような「おまけ」としての福利厚生ではなく、福利厚生によって、いかにして従業員の可処分所得を増やして幸福度を高めるのかが大切な視点です。
第三の賃上げと福利厚生の深い関連性を解説していきます。
可処分所得を最大化するロジックに注目が集まっている
「給与を増やす」ことと「支出を減らす」ことは、「可処分所得(手取り)を増やす」という点においては従業員から見てほぼ同じです。
一方で、第三の賃上げに多くの企業が魅力を感じている点は、所得税法や社会保険制度の枠組みを正しく利用しながらも「税金の壁」を対策できる点にあります。
たとえば福利厚生として提供される「食事補助」等は一定条件のもとで非課税となるため、社会保険料の算定基礎からも除外されます。つまり非課税で実施できることにより、現場レベルでは通常の賃上げよりも有利に運用しやすい場合が少なくありません。
「第三の賃上げ」は、言ってみれば企業が支払ったコストがほぼそのまま従業員の「生活費削減」という形で還元できる仕組みです。
このように、効率的に「従業員の使えるお金」を増やせる点に最大のメリットがあり、大きな注目が集まっているのです。
「実質給与アップ」の具体例を解説
第三の賃上げが実質的な給与アップにつながっているとして、人気が高い施策をいくつか挙げてみましょう。
たとえば近年急速に普及している「置き社食」や「社内食堂」は、国税庁の所得税基本通達に基づく要件を満たせば非課税で提供可能(参考:所得税基本通達 第36条/国税庁)です。
また、フィットネスや健診は会社がジムの利用料等を負担することで、個人の支出を肩代わりできる仕組みとして人気です。
さらに、オフィス内での飲料や軽食への価格補助を行うことによって、生活インフラの補助といった役割も担えます。
このように、福利厚生によって従業員は「手取りが増える実感」が得られる施策に人気が集まっています。
従業員の幸福度(ウェルビーイング)との相乗効果が狙える
福利厚生による支援は、金銭的メリットに加えて「会社に大切にされている」「自分は大事にされている」といった従業員の心理的な安心を高めます。
質の高い食事や健康支援は、そのまま生産性の向上にも直結しますので、第三の賃上げはウェルビーイングとの相乗効果も高い施策です。
実質的な収入アップと働きやすさの向上による従業員への心身への相乗効果は、エンゲージメントを重視したい企業にとっても見逃せない点でしょう。

【企業・従業員それぞれの視点】「第三の賃上げ」のメリットとデメリットを解説

どんな制度にも、メリットとデメリットがあります。
第三の賃上げが企業と従業員にもたらす恩恵を整理しつつ、導入時に直面しやすい課題やデメリットについても公平な視点で解説します。
【エンゲージメントの向上を狙える!】企業のメリット4選を紹介
まずは、企業のメリットを整理します。
・税制面のメリット・・・企業の損金算入が可能な福利厚生であれば、税制面でメリットが得られます。
・従業員満足度の向上・・・生活支援型の福利厚生は、直接的に社員の満足度を高めます。
・少額から導入可能・・・昇給やベースアップと比較すると少額での導入が可能です。
・採用・定着率の向上・・・他社にはない「実質的な年収アップ」をアピールしやすくなり、採用競争力が高まります。
従業員の生活に寄り添うことによって、結果として組織への帰属意識が高まり、エンゲージメントの向上を狙える点は企業の大きなメリットです。
【会社から大切にされている実感が強まる!】従業員のメリット3選を紹介
続いて、従業員のメリットを整理します。
・手取り額の最大化・・・昇給に伴う増税の負担なく、福利厚生の恩恵をフルに受けられます。
・働きやすさの実感・・・福利厚生により生活費負担が軽減されるほか、職場の快適さも高まり、働きやすさを実感しやすくなります。
・健康的な生活への支援・・・会社が用意したインフラによって健康的な生活が促進されますので、心身ともに余裕が生まれます。
従業員から見れば、会社から大切にされている実感が大きいほど仕事への活力が上がり、ストレスを感じにくい環境になるのは大きなメリットです。なお、物価高の時代には生活支援型の福利厚生に価値を見出す従業員も少なくありません。
考慮すべきデメリットは?
上記のようにメリットの多い「第三の賃上げ」にも、デメリットは存在します。ただし導入方法や運用次第で解決しやすいデメリットが多いため、戦略的に取り組めば大きな問題は生じないはずです。
主なデメリットを整理しましょう。
・制度設計の課題・・・規程の作成や税務上の判断が必要な場合もありますので、時間と労力がかかるケースも見受けられます。
・従業員間での不公平感を生む・・・勤務場所や形態によって、利用のしやすさに差が出るリスクがあります。
・導入コストが発生する・・・新規の施策は、導入コストがかかります。費用対効果に見合う施策を選ぶ必要があります。
このようにデメリットには運用次第で解消できるものが多いので、丁寧な制度設計を心がければ対策できるでしょう。デメリットを解決したうえで施策を運用できれば、第三の賃上げはむしろ企業にも従業員にもメリットだらけの施策といえます。
★心幸のサービスはデメリットを解消しやすい仕組みです。

心幸の福利厚生ソリューションは、第三の賃上げ実施に伴うデメリットの解消にも配慮できる仕組みです。
たとえば、設置型の社食『オフめし』は小スペース・低コストで導入でき、オフィスでも工場でも24時間全ての従業員に「食事補助による第三の賃上げ」を公平に届けることができます。
低額で導入できる点は特に中小企業様からご好評をいただいており、コスト面で無理なくスタートしやすい点が導入の決め手となっている事例も少なくありません。
競合他社が動き出している!「第三の賃上げ」最新トレンドを解説

第三の賃上げは、すでに一部の先進企業の取り組みではなく、大手から中小企業まで広く採用しています。
人材競争に勝ち抜くために他社がどのようなプロジェクトを始動させているのかを分析できるよう、最新の市場動向を解説します。
大手・先行企業のプロジェクト事例に学ぶトレンドを知ろう
大手製造業やIT企業では、インフレ対策として基本給アップに加え「生活支援型福利厚生」をパッケージ化する動きが加速しています。
たとえば、サイバーエージェントはインフレ手当として一律の昇給を行う一方で家賃補助制度としての「2駅ルール」も実施していますし、ホッコウ物流では毎月5,000円分使用できるICカードを従業員に配布し、その半額を会社が負担する仕組みを導入(参考:福利厚生充実で「第3の賃上げ」札幌の運送会社も導入/日本経済新聞)しています。
なお、食事補助アプリや福利厚生ポイント制度、健康支援プログラムなど柔軟な仕組みを採用している企業も増えています。
第三の賃上げトレンドに乗り遅れるリスクとは?
今や求職者は「額面の年収」だけでなく「福利厚生の充実度」も、シビアにチェックしています。
競合他社が「第三の賃上げ」によって「実質の手取り」を他社より月に数万円高い状態にしているだけでも、従来通りの給与体系のみで戦う企業は、慢性的な人材不足に陥るリスクがあると考えられます。
福利厚生が充実している企業に人材が集中する可能性もあることから、人材を確保する戦略のひとつとしても、今や「第三の賃上げ」は無視できない仕組みになっているのです。

第三の賃上げ導入における課題と注意点を解説

「第三の賃上げ」に限った話ではありませんが、新しい制度は“導入するだけ”では十分ではありません。
従業員の不満を招かないように配慮しながら企業の費用対効果を最大化するために、導入時に押さえておくべき実務上のポイントと注意点を整理しましょう。
課題と注意点1:公平な制度設計の重要性
たとえば、「本社社員は社内食堂が使えるが、地方工場の社員は恩恵がない」といった状況だと、組織の分断を招きます。
言うまでもなく、公平感を保つために福利厚生には全従業員が納得できる包括的な仕組みが不可欠です。
拠点格差や職種による格差が生まれると、すぐに従業員からの不満につながる点には注意しましょう。
課題と注意点2:運用コストの検討と費用対効果
福利厚生には、継続性も重要です。
そのため導入の段階から、導入費用だけでなく運用費用や利用率についても試算を行い、慎重に検討する必要があります。
「他社が導入しているから、同じことをする」「競合と同じ施策を行う」のではなく、自社の費用対効果に見合う施策へとアレンジする工夫によって、より企業も従業員も満足できる施策が実現できます。
課題と注意点3:従業員ニーズを把握する方法
福利厚生は企業が「良い」と思うものだけを基準とせず、「従業員が本当に使うもの」「従業員が望んでいるもの」をリサーチして導入するほうが効果的です。
したがって、ある程度の期間をかけて社内アンケートや利用データ分析などを活用し、自社の従業員のニーズを的確に捉えられるとベストです。
★心幸が提案する「第三の賃上げ」対応の福利厚生とは?

第三の賃上げを実現する方法として、近年特に注目されているのが食事支援型の福利厚生です。
たとえば心幸の「置き型社食」サービスである『オフめし』は、低コストで導入が可能で社員の健康支援にもつながる施策が叶うだけでなく、設置したあとの利用率が高いことでも知られています。
健康経営を推進する企業にとって、食生活の改善は重要なテーマのひとつです。実質の賃上げと健康経営を同時に実現できる施策として、今「置き型社食」がこれまで以上に人気を集めています!
心幸が貴社に合うプランをご提案いたしますので、ぜひ一度、お問い合わせください。
2026年上半期時点での「第三の賃上げ」への今後の展望と企業の持続的成長を解説

第三の賃上げは、今後さらに広がっていく大きな可能性を秘めています。
今後の展望と企業の持続的成長の視点から、見通しを解説します。
中小企業における導入の可能性が高まっている
特に注目したいのは、中小企業における可能性です。
中小企業にとって給与の大幅な引き上げは難しくても、福利厚生であれば低コストでの導入や柔軟な制度設計ができる点は大きな魅力です。
むしろ「第三の賃上げ」は税制面などのメリットから、中小企業こそ活用しやすい施策ともいえます。
画一的な取り組みとしてだけでなく、自社の予算やニーズに即した導入がしやすい点も中小企業にとってメリットが大きく、上手に導入できれば採用面での「切り札」にもなるでしょう。
政府の支援制度と税制優遇の活用が魅力的である
昨今の情勢を踏まえ、政府も賃上げや待遇改善を支援しています。既存の助成金のなかにも、第三の賃上げに活用できるものがあるので、こういった制度を上手に使っていく視点も有効です。
たとえば厚生労働省が実施している助成制度の「人材確保等支援助成金」は、第三の賃上げにとって追い風になっていて、企業が人材確保や職場環境の改善に取り組む際に活用できる制度です。
こうした制度を活用すれば、企業の負担を抑えながら待遇の改善が可能となります。
ただし、助成金を受けるにあたっては事前計画や成果要件がある点に、気をつける必要があります。制度導入を検討する際には、社会保険労務士や都道府県労働局へ相談をすると確実でしょう。

【現場の疑問を解決】第三の賃上げ・福利厚生導入のよくある誤解へのFAQを紹介

最後に、現場でよくある疑問を解説します。
Q.福利厚生は利益が出てからやるものという理解で間違いないでしょうか?
A.人材確保の投資として導入するケースも増えています。
利益が出てからのほうが安定した運用が叶うのは間違いありませんが、必ずしも利益が出てから行うものとも言い切れません。
むしろ近年は、人材確保のための投資として福利厚生を導入する企業も増えています。
特に、採用競争が激しい業界では、福利厚生が企業選択の重要要素になる事情もあり、自社の状況に応じて判断していきましょう。
Q.食事補助の非課税枠を最大活用するポイントはどこですか?
A.国税庁が示す基準を参考に判断していきます。
国税庁の示している要件では、社員が半額以上を負担し、会社負担が月7,500円以下という条件を満たす必要があります。
この範囲内での制度設計であれば、税制メリットを得やすいでしょう。
なお、2026年度(令和8年度)から、非課税上限額は月額7,500円に引き上げられました。
Q.既存の給与体系を大幅に変えずに導入できますか?
A.可能です。
既存の給与体系を大きく変えることなく、多くの企業で福利厚生サービスの導入や食事補助制度の追加を実現しています。
基本給はそのままで、福利厚生制度を上乗せする形式であれば、大きな制度変更は行わずにスタートできます。

まとめ|これからの時代に「第三の賃上げ」は福利厚生に欠かせない

物価上昇や人材不足が続くなかで、企業には新しい賃上げ戦略が求められていて、その有力な選択肢のひとつが「第三の賃上げ」といえます。
第三の賃上げは「実質賃金の向上」「従業員満足度の向上」「企業のコスト効率化」を同時に実現できる施策でもあり、特に食事補助などの生活支援型福利厚生は、利用率が高く恩恵を実感しやすいメリットがあるものです。
これは一時的なブームにとどまらず、今後の日本においては新たなスタンダードになっていく可能性を秘めているテーマです。
これからの時代には、企業の競争力は給与だけではなく、総合的な待遇設計によって決まるともいえるでしょう。
直接的な給与アップだけでは補いきれない価値を、福利厚生によって充実させ、提供をしていく。こういった考え方が、今後はさらに「第三の賃上げ」を戦略的に取り入れる取り組みとして、企業の持続的な成長につながる重要なポイントになっていきそうです。
福利厚生の強化や健康経営をサポートする心幸グループのお問い合わせはこちら>>

