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ウェルビーイングとは?なぜ重要?企業がすべき取り組みを解説

ウェルビーイングとは?なぜ重要?企業がすべき取り組みを解説

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更新日|2023年9月8日
所長|いくた
この記事の概要

ウェルビーイングとは、身体的・精神的そして社会的にも良好な状態にあることを指す概念です。近年、関心が高まっており、企業においてもウェルビーイングを高めることで、従業員のパフォーマンスが上がり、生産性が向上するとされています。そのため、企業は従業員一人ひとりのウェルビーイングを支え、向上させる取り組みを進めることが必要です。記事では、企業が取り組むべきウェルビーイングを具体例を交えて紹介します。

目次

ウェルビーイングとは

笑顔の社員たち

「ウェルビーイング」は英語の”well-being”から来ていて、身体的・精神的そして社会的にも良好な状態にあることを指す概念です。「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます(参考/日本WHO協会)」と、世界保健機関(WHO)憲章の前文にも記されています。

企業におけるウェルビーイングとは、組織や職場環境が従業員の心身の健康や幸福感を向上させ、能力を最大限に引き出すための状態を指します。「健康経営」と深い関係があり、職場のストレス管理、リーダーシップの質、従業員間の関係性、仕事の意味や目的、仕事と私生活のバランスなど、多くの要素を含んでいます。

企業が従業員のウェルビーイングに投資する理由はいくつかあります。一つは、ウェルビーイングが高いと従業員のパフォーマンス、エンゲージメント、創造性が向上し、組織全体の生産性と成功に直接寄与するからです。また、ウェルビーイングが高い職場は、従業員の離職率を減らし、優秀な人材を引きつけ、維持するのに役立ちます。

したがって、企業におけるウェルビーイングは、従業員の幸福と組織の成功の両方を追求する重要な戦略となります。

ウェルビーイングの5つの要素 ギャラップ社

ウェルビーイングの5つの要素 ギャラップ社

アメリカの世論調査研究所・ギャラップ社(毎年世界幸福度調査にデータを提供)は、ウェルビーイングとは何かについて5つの要素を提唱しています。

キャリア・ウェルビーイング(Career Wellbeing)

毎日の活動に目的を感じ、それが自己達成に寄与していると感じること。

仕事や子育て、勉強、ボランティア活動などに充実感を感じているか、毎日が楽しいと感じられるか、自分の強みを活かすことができているかなどを指します。充実感があり、意義を感じているのなら、キャリア・ウェルビーイングが高いと言えます。

ソーシャル・ウェルビーイング(Social Wellbeing)

愛する人との深い関係やつながりを持つこと。

人間関係、友人や家族とのつながり、社会的な支援など、他人との関わり方を指します。人生において重要な人間関係や親しい友人を持つことが幸せにつながると言われています。職場や自宅で誰かとコミュニケーションを取ることでストレスが減り幸福感が上がることが分かっています。

フィナンシャル・ウェルビーイング(Financial Wellbeing)

経済的な心配を減らし、自分の生活に対するセキュリティを感じること。

経済的な安定感や、現在と未来の金銭的な状況への自信を指します。単に収入が多いことが幸福ということではなく、外食や旅行などの体験にお金を使うことでフィナンシャル・ウェルビーイングが高まることが分かっています。一時的に幸福を感じる買い物よりも、一生の思い出になる体験にお金を使うことの方が、幸せを感じるためです。

フィジカル・ウェルビーイング(Physical Wellbeing)

健康的で、一日をエネルギーに満ちて過ごすこと。

身体的な健康状態や、毎日の活動量、食事や睡眠の質などを指します。適度な運動、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、喫煙や過度な飲食などの有害な行動の回避をすることで、幸福感が増すでしょう。反対にこれらの要素が欠けていると、身体的な不調やストレス、疲労感などが生じ、生活の質や幸福感に影響を与える可能性があります。

コミュニティ・ウェルビーイング(Community Wellbeing)

自分が属している場所への愛着感、貢献や影響力を感じること。

自分の属しているコミュニティへの関与度や、そのコミュニティに対する愛着などを指します。自分がコミュニティの一部と感じる「所属感」や、コミュニティが身体的・精神的な安全を確保する場所である「安全性」、コミュニティが自分自身を受け入れ、支援してくれる「受容と支援」が満たされることで、幸福感が高まります。

これら5つの要素は相互に関連しており、1つが欠けても全体のウェルビーイングに影響を及ぼします。これら全ての要素を充足させることで、人々の幸福感や生産性を最大限に高めることができると、ギャラップ社は提唱しています。

ウェルビーイングの5つの要素 PERMA理論

ウェルビーイングの5つの要素 PERMA理論

アメリカの心理学者マーティン・セリグマンが考案した人間のウェルビーイング(幸福)の定義も紹介します。5つの要素の頭文字をとってPERMA理論と名付けられています。

Positive Emotion(ポジティブな感情)

ポジティブな感情とは、日々の生活で経験する喜び、幸せ、愛、満足感などのことを指します。この感情が高いほど、人は幸福を感じるとされています。

Engagement(エンゲージメント)

エンゲージメントは、特定の活動に集中し、その活動に完全に没頭する状態を指します。これは「フロー」とも呼ばれ、自分のスキルが課題にマッチしたときに特に起こりやすいとされています。

Relationships(人間関係)

人間関係は幸福感に大いに寄与します。支援的で愛情のある関係は、ストレスを軽減し、充実感を提供し、人々が困難に立ち向かう助けとなります。

Meaning(意味)

人々は自分たちの生活に何か大きな意味や目的を持っていると感じると、幸福感を感じます。これは自己超越的な何か、あるいは自分が属しているコミュニティへの貢献といった形で表れます。

Accomplishment(達成)

個人的な達成感や成就感、成功の経験はウェルビーイングを高めます。自分自身の目標に向かって進んでいると感じることは、自己効力感と自己尊重感を高めるとともに、ストレスや不安を軽減します。

これら5つの要素は、個々の幸福感を高め、個々が自分の人生をどの程度良好に感じているか(ウェルビーイング)を評価する一助となります。

なぜ今、ウェルビーイングへの関心が高まっているのか

ポイント

ウェルビーイングへの関心が高まっている理由はいくつかあります。

まずはじめに、「労働環境の変化」が挙げられます。ITの進歩により、仕事の仕方が大きく変わりました。遠隔勤務やフレキシブルな勤務時間など、従来の9時から5時までのオフィスワークから離れた形の労働が増えています。この変化は、働き方だけでなく、健康や幸福感に対する認識にも影響を与えています。

次に、「メンタルヘルスへの認識」が変化したことが挙げられます。社会全体がメンタルヘルスに対する理解を深め、その重要性を認識するようになったことも大きな要素です。ストレスや不安、うつ病などの心の問題が身体の健康だけでなく、仕事のパフォーマンスや生活の質にも影響を与えることが認識されています。

また、「採用の競争」も要因のひとつ。企業は優秀な人材を引きつけ、保持するためにはウェルビーイングの重要性を理解しなければなりません。ウェルビーイングを高める職場環境は、従業員の満足度とロイヤリティを高め、人材の確保と保持につながります。

企業へのメリットとしては「生産性の向上」が挙げられます。ウェルビーイングが高い従業員は、一般的に生産性が高いとされています。心身ともに健康であれば、パフォーマンスも向上します。そのため、企業は従業員のウェルビーイングを高めることにより、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。

さらに、このような背景から「社会的な要求」が高まっていることも大きな要因です。企業はただ利益を追求するだけでなく、従業員やコミュニティのウェルビーイングにも責任を持つべきだという認識が広がっています。

以上のような理由から、企業や組織、個々の人々の間でウェルビーイングへの関心が高まっています。

企業が取り組むべきウェルビーイングの具体策

企業が取り組むウェルビーイングとは、従業員の心身の健康と幸福を重視し、その向上を目指す一連の活動や取り組みのことを指します。これは従業員の生産性や満足度を向上させ、組織全体のパフォーマンスや成功に貢献すると考えられています。以下に具体的な取り組みをいくつか挙げます。

健康サポート

白衣の女性

企業が健康サポートに取り組むための具体策は以下のようなものがあります。

  1. 健康診断の提供:従業員に対して定期的な健康診断を行い、健康状態を把握し早期の対策を促します。
  2. 健康教育:健康に関する研修やセミナーを開催し、従業員に健康知識を提供します。ストレスマネジメントや睡眠の質を向上する方法、栄養バランスの取り方など、生活習慣病の予防に役立つ情報を提供します。
  3. 運動プログラムの提供:社内でヨガクラスやランニングクラブなどを開設し、従業員が体を動かす機会を増やします。また、フィットネスクラブの会員料補助なども有効です。
  4. 健康的な食事の提供:社員食堂で健康的なメニューを提供するなど、栄養バランスの良い食事を摂取しやすい環境を作ります。
  5. メンタルヘルスサポート:メンタルヘルスに関するカウンセリングや、心理療法を受けるための補助を提供します。
  6. ワークライフバランスのサポート:長時間労働の防止や、有給休暇の消化推進、フレックスタイム制度の導入など、健康的な働き方をサポートします。

ワークライフバランスの改善

リモートワーク

企業がワークライフバランスの改善に取り組むための具体策は以下のようなものがあります。

  1. フレキシブルな勤務制度の導入:フレックスタイム制度やテレワーク制度を導入することで、従業員が自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択できるようにします。
  2. リモートワークの推進:新型コロナウイルスの影響で、多くの企業がリモートワークを導入しました。これにより、通勤時間を削減し、家庭やプライベートの時間を増やすことができます。
  3. 有給休暇の推奨:有給休暇を取得しやすい環境を整え、従業員が適切に休暇を取得できるようにします。そのためには、有給休暇取得のシステムを見直し、休暇を取りやすくする方針を明確にします。
  4. カウンセリングサービスの提供:ストレスや過労、家庭とのバランスの取り方などについて相談できるカウンセリングサービスを提供します。
  5. 子育て支援:育児休暇の取得を促進したり、子供が病気になった際の短時間勤務制度を導入したりするなど、家庭と仕事を両立させるための支援を行います。
  6. ワークライフバランス研修:ワークライフバランスに関する研修を行い、従業員自身が自分のライフスタイルを見つめ直し、自分に合った働き方を見つけられるようにします。

職場環境の改善

美しいオフィス

企業が職場環境の改善に取り組むための具体策は以下のようなものがあります。

  1. 快適なオフィス環境の提供:自然光がたくさん入るオフィスや、植物を配置するなどして、心地よい空間を作ります。また、静かな作業スペースやリラックスできる休憩スペースを確保することも重要です。
  2. 騒音対策:オフィス内の騒音は、集中力を奪いストレスを生む要因になります。ヘッドホンの提供や、静かな空間の確保、騒音を抑えるための壁材などを利用することで対策します。
  3. エルゴノミクスの導入:長時間のデスクワークが引き起こす身体の負担を軽減するため、エルゴノミクスに基づいた椅子やデスク、キーボードなどの提供を考えます。
  4. 温度と湿度の調整:快適な温度と湿度を維持するためのエアコンや加湿器の設置も重要です。
  5. コミュニケーションの促進:開放的なスペースを設けてコミュニケーションを促進したり、チームビルディングの機会を作るなど、職場の雰囲気作りに取り組みます。
  6. ダイバーシティ&インクルージョン:職場での多様性を尊重し、全ての従業員が自分自身を表現しやすい環境を作ることが大切です。

従業員の成長を支援

社員研修

企業が個々の成長と発展に取り組むための具体策は以下のようなものがあります。

  1. 教育と研修:従業員のスキルや知識を向上させるための教育や研修プログラムを提供します。これには、社内研修や外部のセミナー、オンライン教育などが含まれます。
  2. キャリア開発支援:キャリアゴールを設定し、それに向けての成長をサポートします。これには、キャリアカウンセリングやメンターシッププログラム、ローテーションプログラムなどがあります。
  3. フィードバックと評価:定期的なパフォーマンスレビューを行い、従業員の強みや改善点を明確にし、個々の成長に役立つフィードバックを提供します。
  4. 成果を認識し報酬を与える:従業員の成果を公に認識し、適切に報酬を与えることで、更なる成長への動機付けを行います。これには、賞やボーナス、昇進の機会などが含まれます。
  5. 仕事と個人生活のバランス:従業員が仕事だけでなく、自身の成長や個人生活にも注力できる環境を整備します。フレキシブルな勤務時間やテレワークの導入などが考えられます。

以上のような取り組みを通じて、企業は従業員のウェルビーイングを向上させ、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。

企業がウェルビーイングを導入するメリット

メリット

企業がウェルビーイングを導入すると、様々なメリットがあります。

生産性の向上

従業員のウェルビーイングが高まると、エネルギーレベル、集中力、クリエイティビティが増し、その結果、生産性が向上します。

離職率の低下

ウェルビーイングが高いと、従業員の職場満足度やロイヤルティが向上し、離職率が低下します。これにより、採用コストや新人教育コストを削減できます。

人材の引きつけと保持

ウェルビーイングの高い職場は、優秀な人材を引きつけ、保持する力があります。これは長期的に見て企業の競争力を高めます。

社員の健康維持

ウェルビーイングのプログラムは、従業員の健康状態を改善し、病気の予防に役立ちます。これは長期的には、健康保険費用の節約や、病気による欠勤の減少につながります。

ブランドイメージの向上

ウェルビーイングに投資する企業は、社会的責任を果たしているというイメージを持つことができ、顧客や投資家からの評価が高まる可能性があります。

イノベーションの促進

ウェルビーイングは、開放的で創造的な思考を促進する職場環境を育てることに貢献します。これは新しいアイデアやソリューションの創出に繋がり、企業の成長を加速させる可能性があります。

以上のような理由から、ウェルビーイングへの投資は企業にとって価値あるものだと言えるでしょう。

企業におけるウェルビーイングの課題

悩む社員

企業におけるウェルビーイングの取り組みには複数の課題が存在します。

まず、ウェルビーイングの取り組みは一過性のものではなく、持続的な改善と成長を目指すべきで、一時的なイベントや短期的な解決策だけでは長期的なウェルビーイングを保つことは難しいという課題があります。

次に、ウェルビーイングは主観的な感覚であり、多面的な要素を含んでいるため、その効果を具体的に測定することが難しく、これが企業がウェルビーイングの取り組みの価値を評価し、必要な資源を確保する際の障壁となっています。

さらに、全ての従業員が同じウェルビーイングのニーズを持っているわけではないので、個々のニーズに対応するプログラムを作り出すことも大きな課題です。

また、ウェルビーイングを重視する企業文化を構築するには、トップマネジメントからの強いコミットメントと、全従業員がその価値を理解し支持することが求められます。

最後に、ウェルビーイングに配慮した施策を導入しても、それを従業員に適切に伝えることができなければ効果を発揮しません。ウェルビーイングのプログラムについての情報を透明にし、従業員とのコミュニケーションを確保することが重要となります。

これらの課題を克服し、ウェルビーイングを組織全体に浸透させることが、企業の持続的な成長と従業員の幸福につながります。

世界企業におけるウェルビーイングの取り組み事例

外国のオフィス

世界の企業におけるウェルビーイングの取り組み事例を以下にいくつかご紹介します。ウェルビーイングの取り組みは、企業の文化や戦略に密接に結びついています。それぞれの企業が自社の目標や価値観に合わせて、独自のウェルビーイングの取り組みを行っています。

Google

Googleはウェルビーイングと従業員の幸福を大切にする企業としてよく知られています。オフィス内で食事や軽食を提供したり、フィットネス センターやマッサージ プログラムの提供など人間工学的見地からオフィス環境をサポート。また、オンデマンドで参加できるフィットネス教室やウェルビーイング教室、料理教室を開催するなど、社員のウェルビーイングの実現をサポートするプログラムや環境、リソースを用意しています。

参考/Google の福利厚生

Unilever

Unileverは、従業員のウェルビーイングを重視した経営を行っています。メンタルヘルスに焦点を当て、マインドフルネスや瞑想の研修を行っています。また、ウェルビーイングを評価するための具体的な指標を設け、それに基づいて経営戦略を立てています。

参考/Unilever 健康とウェルビーイング

Salesforce

Salesforceは「オハナカルチャー」という組織文化を掲げており、これは従業員一人ひとりが家族のように大切にされることを意味します。ウェルビーイングに対する取り組みもその一部で、自分の健康を維持する活動に対し毎月100ドルの補助金を支給したり、いつでも必要な時にメンタルケアや法律相談を利用できたり、養子縁組や不妊治療に対する手当を準備するなど、身体的・精神的・社会的なウェルビーイングを支える取り組みを行っています。

参考/Salesforce 充実した福利厚生

日本企業におけるウェルビーイングの取り組み事例

女性社員たち

日本の企業におけるウェルビーイングの取り組み事例を以下にいくつかご紹介します。日本の企業もウェルビーイングを重視した取り組みを行っており、その方法は多岐にわたることがわかります。それぞれの企業が自社の目標や文化に合わせて、ウェルビーイングの取り組みを進めています。

デンソー

デンソーでは、「誰もがウェルビーイングでいられる環境を自分たちから」という思いのもと、健康経営に力を入れています。現場を大切にする風土が根付いているからこそ、各職場に「健康リーダー」を配置。職場ごとで働き方やコミュニケーションの方法、メンバーの特性を把握した上で、現場に合った取り組みを実施しています。

参考/デンソー サステナブルな社会は、「健康」から始まる

味の素

「よく生きる」をテーマに、ウェルビーイングの概念を早くから発信してきた味の素は、「味の素で働くだけで健康になれる」を目指して数々の取り組みを展開しています。従業員一人ひとりの健康状態を把握できる専用サイト(My Health)を設置、全員に対して面談を行い、メンタルヘルスのサポートを個別に実施、さらに、働き方改革の一環として労働時間の削減や会議の質向上にも取り組んでいます。

参考/味の素 わたしたちのウェルビーイング

楽天

楽天では、その企業価値観である「楽天主義」を守ることを基本に、従業員のウェルビーイングに重きを置いています。具体的な施策としては、ウェルネス部、エンプロイーエンゲージメント部、サステナビリティ部などを設け、健康促進や従業員と企業との結びつきの強化、ウェルビーイングに関する情報提供などを行っています。さらに、ウェルビーイングの視点を強く持つために「三間(さんま)の余白」の概念も導入しています。「三間」は、仲間、時間、空間を指し、それぞれに「余白」を設けることで組織の発展を図るという観点を重視しています。

参考/楽天 ニューノーマル時代に向けて、コレクティブ・ウェルビーイングを考えよう

ウェルビーイングの今後

今後、ウェルビーイングは企業においてさらに進化を続けていくことが予想されます。

まず、ITの進化により、より個々の従業員に合わせたウェルビーイング支援策が増えるでしょう。例えば、個々のストレスレベルやライフスタイルに対応したメンタルヘルスアプリやフィットネスプログラムなどが展開される可能性があります。

次に、ウェルビーイングは個人の問題だけでなく、組織全体の課題として捉えられるようになるでしょう。組織全体のウェルビーイングを高めるための統合的な戦略やポリシーが策定される可能性があります。

さらに、ウェルビーイングの追求は企業の社会的責任の一部となることが予想されます。企業の価値は、経済的な利益だけでなく、従業員や社会全体のウェルビーイングを向上させるという視点からも評価されるようになると考えられます。

よくある質問

ウェルビーイングとウェルフェアの違いとは?

福利厚生

「ウェルビーイング」(Well-being)と「ウェルフェア」(Welfare)は、人々の生活の質や幸福を表す際に使われる用語ですが、それぞれに異なる意味があります。

「ウェルビーイング」は一般的に、人の心身の健康状態や幸せを感じる状態を指します。身体的健康だけでなく、精神的、感情的な安定や満足感、社会的なつながりや自己実現などを含む広範な概念で、人が幸せで充実した人生を送るための要素全体をカバーしています。

一方、「ウェルフェア」は、社会が個々の人々に提供する支援やサービスを指します。社会保障、公衆衛生、教育、住宅、食糧などが含まれ、多くの場合、政府や社会的な制度によって提供されます。企業においては「福利厚生」を指し、社会保険などの法定福利厚生と、住宅手当や社内売店、社員食堂といった法定外福利厚生があり、「ウェルフェアサービス」などと呼ばれることもあります。

したがって、ウェルビーイングとウェルフェアは似ているようでいて、異なる概念です。ウェルビーイングが幸せの「目的」であれば、ウェルフェアは幸せを実現する「手段」と言えます。つまり、ウェルビーイングを実現させるために、さまざまなウェルフェアサービスがあると言えるでしょう。

ウェルビーイングとSDGsは関係がある?

SDGs

ウェルビーイングとSDGs(持続可能な開発目標)は深く関連しています。SDGsは経済的、社会的、環境的な持続可能性を追求する17の目標を設定していますが、その中にはウェルビーイングに直接関連するものも多く含まれています。

たとえば、以下のSDGsの目標がウェルビーイングと関連しています。

  • 目標3:すべての人に健康と福祉を確保する
  • 目標4:すべての人に質の高い教育を提供し、持続可能な開発のための学習機会を増やす
  • 目標8:全ての人々に対する持続可能な経済成長と適切な労働を推進する

これらの目標は、人々の身体的、精神的、社会的ウェルビーイングを向上させることに焦点を当てています。

企業がウェルビーイングに取り組むことは、SDGsの達成にも寄与します。従業員の健康と幸福を重視することで、持続可能な経済成長や公正な労働環境の構築、教育への投資、社会的包摂の推進など、多くのSDGsの目標を支えることができます。

また、ウェルビーイングとSDGsを結びつけることで、企業は社会的な責任を果たすとともに、自社の持続可能な成長と成功を促進することができます。これは、顧客、従業員、投資家、コミュニティなど、全てのステークホルダーに対する企業の価値を高めます。

オフけんによる企業のウェルビーイング

「オフけん」は、企業のウェルビーイングを後押しするサービスを提供しています。たとえば、従業員が自身の健康をチェックする「出前からだ測定会」もその一つ。「出前からだ測定会」では全身の筋肉量や脂肪量が分かる「体成分測定」握力やバランス力、ジャンプ力、反射神経、やわらかさ、腹筋力が分かる「体力測定」を実施します。結果はその場でプリントアウトし、専門知識を持つスタッフによるカウンセリングまで行います。

心幸ウェルネスからだ測定会

定期的に実施することで、従業員の健康に対するモチベーションがアップします。また、からだ年齢が判明したり、社内ランキングが分かるので、社員同士のコミュニケーションも活発になります。社員を元気にすることで、業務効率がアップし、生産性の向上にも役立つため、企業の元気にもつながるでしょう。

「オフけん」では、この他にも健康経営をサポートする様々なサービスを提供しています。企業のウェルビーイングを高めるために、こうしたサービスを利用することもおすすめします。

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