会社の禁煙対策とは?具体的な取り組みや成功事例を紹介
こんにちは!福利厚生の強化や健康経営をサポートする心幸グループです。
会社の禁煙対策とは、従業員の健康増進や職場環境の改善を目的として、企業が禁煙を推進するために実施する様々な取り組みのことです。従業員の健康向上や働きやすい職場環境の構築に大きく貢献するだけでなく、生産性の向上や社会的責任の履行にもつながります。この記事では、会社が禁煙対策を行なう必要性やメリット、具体的な取り組み、成功事例などをお伝えしていきます。
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目次
企業における禁煙対策の必要性

企業にとって禁煙対策は、法律や社会の動向に対応するため、社会的責任の観点を鑑みて、など様々な背景から求められています。なぜ禁煙対策が求められているのか、詳しく説明します。
法律や社会の動向による禁煙対策の必要性
禁煙対策は、法律や社会の動向によっても必要性が高まっています。
日本では、2018年に改正健康増進法が施行され、受動喫煙を防ぐための取り組みが「マナー」から「ルール」へと変わりました。2019年7月1日からは、学校・病院・児童福祉施設等・行政機関の庁舎などでは「敷地内が禁煙」となり、2020年4月1日からは飲食店やオフィス、事業所、交通機関など多数の人が利用する様々な施設が「原則屋内禁煙※」となりました。
※ただし、技術的基準を満たす喫煙専用室・指定たばこ(加熱式たばこ)専用喫煙室で、出入口に標識が掲示されている場合、その室内でのみ喫煙することができます。
受動喫煙対策は、望まない受動喫煙にさらされてしまうという問題を解決するための取り組みです。ルールを守らない場合は、罰則の規定も設けられました。従来のマナーと新たなルールによって、受動喫煙の防止が進むことが期待されています。
企業の社会的責任の観点から見て

禁煙対策は、企業の社会的責任の一環としても求められています。
企業は、単に商品やサービスを提供するだけでなく、社会に対して責任を持つ存在として、環境や社会問題にも配慮することが求められます。そのため、禁煙対策も社会的責任の観点から重要な課題となっています。
実際に、心幸グループが発表した、喫煙が職場環境に与える影響についての調査では、「Q4.同じ部署に喫煙者がいることで起こる職場への影響を教えてください。」という質問で「周りの人の集中力が切れ、業務生産性が落ちること」と回答した方に対し、「業務生産性が落ちてしまった具体的な場面」を尋ねたところ(n=17)、「タバコ休憩で連絡が取れないとき」「タバコ休憩で喫煙者が席を立つとき」「タバコの匂いを感じたとき」がいずれも64.7%と高い割合を占めました。こうした結果からも、喫煙が周囲の業務効率や職場環境に影響を与えていることがうかがえます。
禁煙対策を実施することで、企業は、従業員や顧客、そして社会全体に対して、健康への配慮を示すことができます。また、禁煙が推進される現代社会において、企業が積極的に禁煙対策を実施することで、社会的信頼性と生産性が高まるというメリットもあります。
詳しい調査結果はこちら▶「タバコの喫煙と業務生産性の関連調査」を見る

禁煙対策のメリット

企業が禁煙対策を実施することには、以下のようなメリットがあります。
従業員の健康促進や生産性向上
禁煙対策により喫煙率が下がることで、喫煙による健康被害が減少することが期待されます。喫煙によって引き起こされる健康被害は多岐にわたり、たとえば肺がん、心疾患、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患などが挙げられます。これらの病気にかかることで、従業員の体調不良や欠勤、労働生産性の低下が起こることがあります。
禁煙対策により、これらの病気を予防することができるため、従業員の健康状態が改善され、生産性が向上することが期待されます。また、禁煙によって味覚や嗅覚が改善されることで、食事の味や匂いをより鮮明に感じることができるため、食欲が増進することもあります。食欲が増進することで、栄養バランスの良い食事を摂取することができるようになり、健康維持にもつながります。
さらに、禁煙により、ストレスやイライラの緩和効果があることが知られています。これにより、禁煙者は心身ともにリラックスし、ストレスによるパフォーマンス低下を防ぐことができます。
以上のように、禁煙対策によって、従業員の健康状態が改善され、生産性が向上することが期待されます。また、禁煙対策を積極的に実施することで、従業員の健康促進に貢献することができます。
健康的な職場環境の構築による定着率・採用力の向上
企業の禁煙対策には喫煙者の健康向上のメリットの他に、非喫煙者の受動喫煙による病気リスクの低減のメリットもあります。
社内に専用の喫煙所を設ける他、禁煙ルールの設定、定期的な換気の実施、喫煙者に向けた禁煙サポートの導入など会社が受動喫煙防止策を講じることで、職場全体の健康リスクを低減させることができます。
禁煙化により健康リスクを低減させることができ、喫煙者はもちろん非喫煙者のストレス軽減につながります。結果として、心地よい職場環境を築くことができ、離職の防止、定着率・採用力の向上にも貢献できるでしょう。
法的リスクの回避
健康増進法の規定に違反した場合には、以下の罰則が定められています。
■喫煙禁止場所において喫煙を行った場合
最大で30万円の過料(喫煙者に対する処分)
■同法に違反した施設や喫煙室が基準に適合しておらず、勧告・命令・公表をしても改善がみられない場合
最大で50万円の過料(管理権限者に対する処分)
行政による勧告・命令・公表がなされれば、当然企業イメージの低下を招きます。早くからの禁煙対策や受動喫煙対策を行なうことで、こうした法的リスクを回避することができます。
禁煙対策による企業イメージ向上
企業が禁煙対策を推進することで、従業員や顧客、地域社会に対して、健康への配慮や社会的責任を果たすことができます。
従業員にとっては、職場環境が快適かどうかは、仕事に取り組む上で重要な要素の一つです。禁煙対策により、喫煙者の従業員も快適に過ごせる環境を整備することができます。喫煙者・非喫煙者がが快適な環境で働けることは、モチベーションの向上につながります。同時に会社への帰属意識や信頼感も醸成できるでしょう。
また、喫煙者に対する配慮(禁煙サポートによる健康向上など)をすることで、他社との差別化も図ることができます。健康な従業員が増えることは、社会的にも意義があり、より良い社会の実現に寄与できます。
企業が社会的責任を果たすことで、企業イメージの向上にもつながります。企業イメージが向上すれば、顧客からの評価が上がり、より多くの新しい顧客を獲得することもできるでしょう。

禁煙対策の取り組み

心幸グループが発表した、勤務中の喫煙に関する実態調査では、「あなたは、たばこをやめたいと思いますか。」という質問(n=111)に対し、「はい」が57.6%、「いいえ」が31.5%という結果となりました。この結果から、過半数の喫煙者が禁煙への意向を持っていることが明らかになっています。
一方で、禁煙したいと考えていても、習慣やストレス、職場環境などの要因から、実際に行動へ移すことが難しいケースも少なくありません。つまり、従業員個人の意思だけに任せるのではなく、企業側のサポートや環境整備が重要な役割を果たすといえます。
では、企業としてどのような禁煙対策が考えられるのでしょうか。具体的な取り組みについて、いくつか例を挙げてご紹介します。
企業の禁煙施策を検討する際の参考資料▶禁煙・卒煙に関する調査資料を見る
喫煙所の設置や禁煙エリアの設定
■喫煙所の設置
喫煙所を設置することで、喫煙者が職場内でタバコを吸う場所を限定し、禁煙エリアと喫煙エリアを分けることができます。しかし、喫煙所の設置にはコストがかかり、維持管理も必要になるため、会社の規模や予算に応じて判断する必要があります。
■禁煙エリアの設定
喫煙所以外には禁煙エリアを設定することで、職場内の空気を清潔に保ち、健康に配慮した職場環境を作ることができます。また、社員の健康管理にもつながります。
喫煙に関するルールの策定
喫煙所の使用ルールや禁煙エリアでの喫煙禁止のルールなど、明確なルールを策定することで、社員の喫煙行動をコントロールすることができます。ルールに反した場合の対応も検討しておくと良いでしょう。
喫煙者への禁煙支援

禁煙を希望する社員に対して、禁煙支援を行うことで、禁煙成功率を高めることができます。企業における喫煙者への禁煙支援としては、以下のようなものがあります。
カンセリングや指導
禁煙外来の紹介や専門機関による喫煙者向けのカウンセリングや指導などを行ないます。企業が率先して推奨・実施することで、禁煙確率を向上させることが可能です。
喫煙習慣改善プログラム
喫煙習慣改善プログラムでは、タバコを吸う習慣を改善することを目的として、健康的なライフスタイルに関する情報提供や、健康づくりのための運動プログラムなどを提供します。これにより、健康的なライフスタイルを実践することが喫煙者にとっても自然な行動となり、タバコを吸う習慣が改善される可能性があります。
禁煙キャンペーン
禁煙を奨励するキャンペーンを通じて、喫煙者の禁煙意識を高めることができます。禁煙の段階ごとにプレゼントを準備すると禁煙意欲がアップします。また、禁煙を奨励する社内の文化を醸成することにより、禁煙を成功させるための環境作りにもつながります。
禁煙セミナーの実施
企業は、禁煙に関するセミナーを開催することができます。禁煙の効果や、禁煙に必要な知識、禁煙方法や禁煙補助薬などについての情報提供を行い、禁煙を奨励します。
禁煙製品の提供
企業がニコチンパッチやニコチンガムなどの禁煙製品を提供することで、従業員が禁煙に取り組むことが容易になります。特に、長時間労働やストレスが多い職場では、禁煙が難しいという場合があります。しかし、禁煙製品の提供によって、従業員が喫煙を控えることができるようになり、禁煙に成功する可能性が高まります。
禁煙支援の専門家の派遣
禁煙支援の専門家を派遣することで、禁煙をサポートすることができます。専門家は、禁煙のアドバイスや禁煙プログラムの提供、カウンセリングなどを行います。

禁煙対策の成功事例
実際に企業ではどのような禁煙の取り組みを行なっているのでしょか。成功事例を紹介します。
名正運輸様|会社全体で禁煙を後押しし、喫煙者の約30%が挑戦の意向

食品物流を担う名正運輸様では、ドライバーの健康を守るため、心幸ウェルネスの禁煙サポートを導入しました。
喫煙リスクを伝える動画を社内の「ドライバーズミーティング」で全員が視聴し、理解を深めることで、禁煙に取り組みやすい風土づくりを推進。さらに、自社の施策として、非喫煙者への健康手当の支給や、新車トラックの全面禁煙化にも取り組みました。
取り組みの結果、喫煙者の約30%が禁煙にチャレンジする意思を示し、喫煙者数も減少傾向に。外部のサポートと社内施策を組み合わせ、会社全体で従業員の行動変容を後押ししています。
建設会社の禁煙支援|株式会社長田工業所
株式会社長田工業所では、かつて喫煙率が高く、約10年前には従業員の6割が喫煙していたことから、禁煙対策に取り組んでいます。
朝礼時に行う「朝イチ研修」で禁煙に関する情報を発信するほか、健康経営の取り組みをSNSで社内外に発信。まずは「これ以上喫煙者を増やさない」ことを目標に、継続的な啓発を行っています。
その結果、喫煙者は1人減少し2人に。新卒社員も非喫煙者であり、将来的な事務所・工場内の全面禁煙を目指して取り組みを続けています。
参考:中小規模法人部門 取り組み事例集(健康経営優良法人2023)
建設会社の禁煙支援|高木建設株式会社
高木建設株式会社では、以前からポスター掲示や保健師による指導などの禁煙対策を行っていましたが、喫煙者がなかなか減らないことが課題でした。
そこで、業種や地域の異なる4社による「4社合同禁煙プロジェクト」を実施。喫煙状況のアンケートや経営層による禁煙メッセージ動画、禁煙体験談の共有、ポスター掲示などを通じて、従業員の禁煙を後押ししました。
その結果、2019年に36%だった喫煙率が26.6%まで低下。複数企業が協力することで、自社だけでは進めにくかった禁煙対策を推進した事例です。
参考:中小規模法人部門 取り組み事例集(健康経営優良法人2023)
自動車教習所の禁煙支援|株式会社トヨタ名古屋教育センター
株式会社トヨタ名古屋教育センターでは、2006年から禁煙セミナーを実施するなど、従業員の禁煙支援に取り組んでいます。
敷地内禁煙に加え、禁煙日数に応じたポイント制度やヘルスケアアプリを活用し、従業員の健康行動を促進。また、社内の医務室から健康情報や禁煙成功事例を発信するなど、継続的なサポートを行っています。
その結果、2006年に30%だった喫煙率は17%まで低下。顧客アンケートで寄せられていた「タバコくさい」という苦情もなくなるなど、従業員の健康だけでなく、顧客満足の向上にもつながっています。
参考:中小規模法人部門 取り組み事例集(健康経営優良法人2024)

よくある質問
禁煙対策に強制力はあるの?
企業の禁煙対策には、法的な強制力はありません。また、企業が従業員に対して禁煙を強制することは、一般的には行われません。禁煙を盾にしたパワハラはもってのほかです。従業員に対して禁煙を奨励し、禁煙支援を行うことで、自発的な禁煙が促進されることが望ましいとされています。喫煙者が禁煙に取り組むつらい気持ちを理解することも大切です。
企業が従業員に対して禁煙を強制する場合もありますが、その根拠となる法律や規則が存在する場合に限られます。
企業による禁煙宣言とは?
企業の禁煙宣言とは、企業が従業員に対して禁煙を奨励し、禁煙支援を行うことを公式に表明することです。禁煙宣言には、以下のような内容が含まれることがあります。
■禁煙を推進する理由や目的
企業が禁煙を推進する理由や目的を明確にし、従業員に禁煙の必要性を説明します。例えば、健康促進や生産性向上などの理由が挙げられます。
■禁煙支援制度の導入
企業が禁煙支援制度を導入することを明確にし、具体的な支援内容を説明します。禁煙外来の受診費用の補助や禁煙補助薬の提供などが挙げられます。
■禁煙啓発イベントの実施
企業が禁煙啓発イベントを実施することを明確にし、具体的なイベント内容を説明します。禁煙セミナーや禁煙キャンペーンなどが挙げられます。
■目標とする禁煙率の設定
あらかじめ禁煙率を設定し、目標達成に向けた活動を実施していきます。ゴールを設定することで、より具体的な活動が行なえます。
健康経営優良法人の認定要件にも喫煙対策はある?
健康経営優良法人に認定要件の中にも、喫煙対策は含まれます。
喫煙対策の評価項目には、「喫煙率低下に向けた取り組み」と「受動喫煙対策に関する取り組み」があり、特に後者は必須の認定要件となっています。

企業の禁煙サポートは専門会社へ

健康経営サポートを行う「オフけん(オフィスに健康を)」では、従業員の喫煙対策に悩む企業様向けに、禁煙サポートサービス「オフけん卒煙チャレンジ」を提供しています。
健康経営優良法人2027(大規模法人部門)の認定審査に用いられる令和8年度健康経営度調査でも、喫煙率低下に向けた取り組みや受動喫煙対策が評価の対象となっており、企業として喫煙対策を進めることが求められています。(出典:令和8年度健康経営度調査票)
「オフけん卒煙チャレンジ」は、一時的にたばこを吸わないことにとどまらず、喫煙習慣からの卒業を目指す「卒煙」を支援するサービスです。現状把握、企業の卒煙風土づくり、アプリを使ったチャレンジ、結果レポートの発行などを通じて、参加者がたばこに頼らない生活を続けられるようサポートします。
第三者による支援を取り入れることで、従業員個人の努力だけに頼らず、職場全体で卒煙に取り組みやすい環境を整えます。従業員の健康づくりとともに、企業の継続的な健康経営の実践を後押しします。
▶健康経営優良法人の申請・喫煙対策について詳しく知りたい方へ
まとめ
企業の禁煙対策は、従業員の健康促進や生産性向上を目的とした重要な取り組みです。禁煙支援制度の導入や禁煙啓発イベントの実施、禁煙支援チームの設置など、多様なアプローチがあります。
これらの取り組みによって、禁煙率の向上や健康被害の軽減、生産性の向上などの効果が期待できます。また、企業が法令順守などの社会的責任を果たすことにもなります。
企業は従業員の福利厚生として、積極的に禁煙対策を推進していくことが望ましいと言えます。
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元気な会社は社員が元気!健康経営サポート
オフけんでは、「健康経営優良法人」の認定取得サポートをはじめ、健康管理アプリ、からだ測定会、健康セミナーなどを通じて、従業員の健康意識向上と、元気に働ける職場づくりをサポートします。
健康出勤「オフけん場」では、職場に健康測定機器を設置し、アプリと連動。出社時や休憩中に気軽に測定・記録できる環境を整え、健康習慣の定着や社内コミュニケーションのきっかけづくりにつなげます。