社内決済システムの選び方|人事・総務の約9割が感じる課題と、運用負担を減らすポイント
こんにちは!福利厚生の強化や健康経営をサポートする心幸グループです。
社員食堂や社内売店、置き社食は、従業員の食事や買い物を支える身近な福利厚生です。一方、サービスの導入後には、代金の回収、売上の集計、商品の管理、拠点ごとの状況確認など、継続的な業務が発生します。
「食堂と売店で決済方法が異なり、集計に時間がかかる」「現金の回収や釣銭の準備が負担になっている」「販売したい商品があっても、既存の仕組みでは扱えない」。こうした悩みを抱える人事・総務担当者もいるのではないでしょうか。
心幸ホールディングスが実施した調査では、回答した人事・総務責任者の89.2%が、現在の社内決済・運用に課題を感じていることが分かりました。
本記事では、調査結果をもとに社内決済の課題を整理し、システム選定で確認したい機能や、運用を見直すための具体的な進め方を解説します。
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目次
社内決済システムとは?支払いと管理の両面を支える仕組み
社内決済システムとは、社員食堂や社内売店、置き社食など、企業内で発生する支払いを処理・管理するための仕組みです。企業によっては、備品購入や作業服販売などにも利用されています。
決済方法には、現金、券売機、POSレジ、IC社員証、給与天引き、専用アプリ、QRコード決済などがあります。ただし、従業員が支払う方法と、担当者が売上や利用実績を管理する方法は、分けて確認する必要があります。
例えば、支払いがキャッシュレスになっていても、売上データを毎月ダウンロードし、別の管理表に転記している場合、集計の手間は残ります。複数拠点で異なるシステムを利用していれば、本部が全体の状況を把握するための作業も発生するでしょう。
そのため、社内決済システムは、決済手段の豊富さに加えて、導入後の管理業務まで含めて選ぶことが大切です。
人事・総務責任者の89.2%が、現在の決済・運用に課題

本調査は、社員食堂・社内売店・置き社食のいずれかを設置している、従業員100名以上の企業の人事・総務責任者111名を対象に実施しました。
現在の決済・運用に課題を感じているかという質問では、「非常にそう思う」が32.4%、「ややそう思う」が56.8%となり、合計89.2%が課題を感じていると回答しています。

勤務先で採用されている決済・運用方法は、「券売機」が50.5%で最多でした。続いて「POSレジ」が42.3%、「IC社員証・給与天引き」が40.5%、「置き社食ベンダー専用アプリ」が38.7%となっています。
この設問は複数回答であり、決済方法ごとの満足度や優劣を示すものではありません。ただし、さまざまな決済方法が使われる中でも、多くの回答者が運用上の課題を抱えていることが分かります。
見直しにあたっては、「どの決済方法を導入するか」だけでなく、「現在どの作業に負担がかかっているか」を明確にすることが出発点になります。
調査で分かった、社内決済・運用の主な課題
課題を感じていると回答した99名に具体的な内容を尋ねたところ、商品販売の制約、管理の分散、機器のコスト、現金管理などが挙がりました。それぞれの課題を、日々の運用と結び付けて見ていきましょう。

1.特定の置き社食ベンダーへの依存で、自社商品を販売できない
最も多かった課題は、「特定の置き社食ベンダーに依存しており、自社商品を販売できない」で55.6%でした。
置き社食ベンダーの専用システムは、そのサービスの商品購入を前提としている場合があります。自社商品を追加したくても、商品登録や決済の対象にできなければ、別の販売方法を用意しなければなりません。
こうした制約は、商品を増やす際の選択肢を狭めるだけでなく、新たな管理業務を生む可能性もあります。商品ごとに集金方法や売上の確認先が分かれれば、担当者の確認作業も増えるためです。
システム選定時には、指定された商品以外も登録できるか、自社で価格を設定できるか、仕入れ先が変わっても継続して利用できるかを確認しましょう。
2.複数の決済手段が分散し、管理が煩雑になる
次に多かったのは、「複数の決済手段が分散しており管理が煩雑」で43.4%でした。
例えば、食堂は券売機、売店はPOSレジ、備品販売は現金というように、用途によって仕組みが異なる場合があります。個別の運用には問題がなくても、月次集計の段階で担当者が複数のデータをまとめなければならないことがあります。
確認先が増えるほど、締め日の違いやデータ形式の違いへの対応も必要です。担当者しか集計方法を把握していない状態では、引き継ぎの負担にもつながります。
なお、従業員が選べる決済手段の多さと、管理システムの分散は別の問題です。利用者には複数の支払い方法を提供しながら、管理側では売上をまとめて確認できる仕組みを検討することがポイントです。
3.券売機・POSレジの導入・運用コストが高い
「券売機・POSレジの導入・運用コストが高い」と回答した割合は35.4%でした。
費用を比較するときは、機器の購入費や月額料金に加えて、設置、保守、修理、更新にかかる費用も確認する必要があります。複数拠点に設置する場合には、拠点追加時の費用も検討材料になります。
一方、専用端末を必要としない仕組みであっても、通信環境の整備や従業員への説明など、別の準備が必要になる場合があります。機器代だけで判断せず、自社で運用するために必要な費用と作業を整理しましょう。
4.現金管理や手作業での売上集計に負担がかかる
「現金管理の手間がかかる」は33.3%、「売上データの集計・分析が手作業で負担になっている」は29.3%でした。
現金での運用には、釣銭の準備、代金の回収、金額の照合などが伴います。金額が合わない場合には、再確認の時間も必要です。自由回答でも、集計の大変さや、現金の過不足に困っているという声が寄せられました。
また、日々の売上を手入力している場合には、入力や確認の作業が継続的に発生します。キャッシュレス化とあわせて、売上がどのように記録され、集計に利用できるかまで確認することが重要です。
5.複数拠点の運用状況を本部で把握できない
「複数拠点の運用状況を本部で把握できない」という課題も23.2%ありました。
本社、支店、工場などで個別に運用している場合、本部が状況を知るために各拠点へ報告を依頼することがあります。報告の時期や項目がそろっていなければ、全社の数字をまとめるまでに時間がかかります。
複数拠点での利用を予定している企業は、拠点別の売上と全社の合計を確認できるか、閲覧・操作権限を分けられるかなども確認しましょう。
社内決済システムの選定で確認したい機能
調査では、システム選定時に重視する機能として、「在庫管理」「対応する決済ブランドの多さ」「セキュリティ対策」が上位に挙がりました。導入目的と照らし合わせながら、必要な機能を整理することが大切です。

在庫管理と賞味期限管理
「在庫管理機能が備わっている(賞味期限管理を含む)」を重視する回答は47.7%で最多でした。
食品を扱う現場では、販売数だけでなく、残っている商品や賞味期限の把握も必要です。ただし、在庫管理機能という名称が同じでも、対応範囲はシステムによって異なります。
販売に連動して在庫数が更新されるか、入荷時の登録は誰が行うか、賞味期限をどの単位で管理できるかを確認しましょう。商品の補充や廃棄が発生した際の操作まで確認すると、実際の運用をイメージしやすくなります。
決済ブランドの多さと従業員の使いやすさ
「対応している決済ブランドが多い」を重視する回答は46.8%でした。
選択肢が多ければ、従業員が普段使っている方法で支払いやすくなります。ただし、対応ブランド数だけで使いやすさが決まるわけではありません。登録手順、購入時の操作、支払い完了の確認方法なども重要です。
職場によっては、スマートフォンの持ち込みや利用に制約がある場合もあります。勤務環境や利用者の状況を踏まえ、無理なく利用できる方法を選びましょう。
セキュリティ対策とトラブル時の対応
「セキュリティ対策が手厚い」を重視する回答は45.0%でした。
確認したいのは、従業員の認証方法、管理画面の権限設定、操作履歴などです。無人で運用する場合には、決済システムの機能に加え、商品を置く場所や施錠、利用ルールも含めて検討する必要があります。
また、通信障害や決済エラーが起きた際の対応も確認しましょう。問い合わせ先、対応時間、返金の手順などを事前に整理しておくと、担当者が判断しやすくなります。
導入教育の負担と管理画面の操作性
「従業員への操作説明・導入教育の負担が少ない」を重視する回答は35.1%でした。
機能が充実していても、利用方法が分かりにくければ、担当者への問い合わせが増える可能性があります。利用者向けの操作だけでなく、商品登録、価格変更、返金、売上確認など、管理者が行う操作も試しておきましょう。
マニュアルの有無に加えて、自社でどこまで対応する必要があるかを確認することが、導入後の負担を見極めるポイントです。
社内決済の見直しを進める4つのステップ
ステップ1.現在の業務と費用を洗い出す
まず、食堂・売店・置き社食など、対象となるサービスごとに、決済方法、利用システム、担当者、作業内容を整理します。
機器代や利用料だけでなく、現金回収、売上集計、拠点への確認に何時間かかっているかも記録しましょう。作業時間を把握しておくと、導入後にどの程度負担が減ったかを数字で比較できます。
すべてを厳密に計測することが難しい場合は、月末の集計など、負担の大きい作業から記録する方法もあります。
ステップ2.解決したい課題に優先順位を付ける
次に、自社で優先して解決したい課題を決めます。
現金管理を減らしたいのか、売上集計をまとめたいのか、自社商品を販売したいのかによって、必要な仕組みは異なります。「必須の要件」と「あると便利な要件」を分けることで、比較の基準が明確になります。
例えば、複数拠点の管理が課題であれば、本部での閲覧機能や拠点別データの出力を優先します。商品販売の制約が課題であれば、商品登録や価格設定の自由度を先に確認するとよいでしょう。
ステップ3.小さく試し、実際の負担を確認する
可能であれば、一部の拠点や売場で試験導入し、従業員と管理担当者の両方から意見を集めます。
購入までに迷う操作がないか、問い合わせがどの程度発生するか、集計や返金がスムーズにできるかを確認しましょう。説明資料だけでは分からない運用上の課題を把握できます。
試験導入の時点で、対象者、実施期間、確認する項目を決めておくと、本格導入の判断材料を整理しやすくなります。
ステップ4.導入前後の成果を数字で比較する
導入後は、月間の集計時間、現金回収の回数、金額差異の発生件数、問い合わせ件数などを比較します。
費用面では、システム利用料や手数料の変化と、保守費用などの削減額を分けて確認しましょう。作業時間の削減は、実際の支出削減とは区別して整理すると、効果を説明しやすくなります。
初期費用が発生する場合は、月々の実質的な費用削減によって、どの程度の期間で回収できるかも検討します。従業員の使いやすさと管理負担の変化をあわせて評価することが大切です。
社内の小口決済をまとめて管理する「ぱっとレジ」

社内決済の見直しでは、複数の用途を一つのシステムで扱えるかどうかも選択肢になります。
「ぱっとレジ」は、社員食堂・社内売店・置き社食から、備品購入・作業服販売・研修費精算まで、社内の小口決済を一つの仕組みで統合できる社内決済プラットフォームです。
特定の置き社食ベンダーに依存せず、単体で導入でき、自社商品も販売できます。スマートフォンで決済が完結する専用端末不要の設計で、給与天引き・QR・クレジットなどの決済手段に対応しています。
また、企業側の管理画面で価格設定、返金対応、販売実績の確認ができ、本社・支店・工場など、複数拠点の売上データを本部で一括管理できます。
商品販売の制約や管理の分散に課題を感じている企業は、自社の運用をどこまでまとめられるかを検討してみてはいかがでしょうか。在庫・賞味期限管理などを必須とする場合は、それらの機能の対応範囲も個別に確認することが大切です。

まとめ:社内決済は、従業員と管理担当者の両方の視点で選ぶ
今回の調査では、回答した人事・総務責任者の約9割が、現在の社内決済・運用に課題を感じていました。具体的には、特定ベンダーへの依存、決済管理の分散、機器のコスト、現金管理の手間などが挙がっています。
システムの見直しでは、まず現在の業務を整理し、負担が発生している作業を明確にしましょう。そのうえで、商品を自由に扱えるか、管理をまとめられるか、従業員が使いやすいかを確認することが重要です。
導入後も成果を数字で確認しながら運用を改善することで、従業員が利用しやすく、担当者も管理しやすい社内の購買環境づくりにつなげていきましょう。
調査概要
- 調査名称:社内決済システム選定基準の実態とギャップ調査【法人側】
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2026年7月15日〜16日
- 有効回答:社員食堂・社内売店・置き社食のいずれかを設置している従業員100名以上の企業の人事・総務責任者111名
- 出典:心幸ホールディングス株式会社
※具体的な課題に関する設問は、現在の決済・運用に課題を感じると回答した99名が対象です。決済・運用方法、具体的な課題、選定時に重視する機能は複数回答です。構成比は小数点以下第2位を四捨五入しています。
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