福利厚生の食事補助非課税上限額引き上げに対応するには?法改正で期待できるメリットや食事補助の基本・要件を解説
こんにちは!福利厚生の強化や健康経営をサポートする心幸グループです。
企業では従業員を対象にさまざまな福利厚生を提供していますが、一部の企業では、従業員の食事にかかる費用をサポートするための食事補助が行われています。福利厚生としての食事補助には非課税上限額が設定されていますが、法改正により2026年度から非課税上限額が引き上げとなる見込みとなりました。
食事補助の非課税上限額の引き上げにあたり、企業はどのように対応すればいいのでしょうか。本記事では、食事補助の基本と非課税上限額が引き上げに至った背景とともに、期待できるメリットや企業が対応するべきポイントについて解説します。
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目次
福利厚生における食事補助とは

企業が従業員に対して提供する福利厚生は多岐にわたりますが、その中でも食事補助は多くの企業が導入している、比較的ポピュラーな福利厚生です。そもそも、福利厚生としての食事補助とはどのようなものなのでしょうか。まずは、食事補助の定義や種類などの基本から解説していきます。
食事補助の定義
食事補助とは企業が従業員に提供する福利厚生の一種で、従業員が取る食事にかかる費用の一部、または全額を企業が補助する制度です。食事補助は、法律で義務付けられていない法定外福利厚生です。導入有無は企業の裁量に委ねられているため、すべての企業が導入しているわけではありません。
食事補助にかかる費用を福利厚生として非課税扱いにする場合は、後述するように一定の要件を満たした上で、設定された上限額内で支給する必要があります。
食事補助の種類
企業が自社の従業員に提供する食事補助にはいくつかの種類があり、何を導入するかは各企業の判断に委ねられています。
一般的な食事補助には、以下のようなタイプがあります。
・社員食堂:自社内に食堂やカフェテリアといった食事するスペースを設置・運営し、安価な価格で従業員に食事を提供する。設置・運営コストがかかるため、従業員規模が少ない企業では導入が難しく、導入しているのは一定以上の規模の企業が主となっている。
・設置型:社内に設置した冷蔵庫や自動販売機で食事や軽食などを購入できるタイプ。限られたスペースでも設置しやすく、社員食堂よりコストを抑えられるため、中小希望でも導入しやすい。
・デリバリー型:提携した弁当業者やケータリングサービスがオフィスに食事を配達するタイプ。初期費用が殆どかからない一方、最低注文数が設定されている、利用できるエリアが限定されることがデメリット。
・カード・チケット型:提携店舗・飲食店などで利用できるカードやチケットを配布するタイプ。従業員が好きな時間で好みの店舗や飲食店を利用しやすいのがメリット。
・カフェテリア・パッケージ型:外部の代行サービスの福利厚生メニューで付与されたポイント、または企業が選択したパッケージ内で利用できるタイプ。パッケージの範囲内、または付与されたポイントを利用し、従業員が店舗や飲食店を選択して利用できる。
海外と日本の食事補助の違いと比較
食事補助は、日本のみならず海外の企業でも広く導入されている福利厚生です。
例えばアメリカのGoogle社では、オフィス内での食事や飲み物がすべて無料で提供されており、昼食はもちろん朝食や夕食も無料で食べられるといいます。Google社の日本のオフィスでも同様に、3食すべて無料で提供されているそうです。
フランスでは、日本で言うチケット型の食事補助が普及しています。上限はありますが企業が昼食代のおよそ半額を補助する制度で、飲食店のほかスーパーマーケットなどでも利用可能です。近年では、電子チケットタイプが普及しているようです。

福利厚生における食事補助の上限額は?

福利厚生として企業が従業員向けに食事補助を提供する場合、制限などがあるのでしょうか。一部制限がありますが、その範囲は課税・非課税の別で異なります。
福利厚生費において上限はなし
単純に、企業が福利厚生に食事補助を含めている場合に食事補助にかかる上限について、法律では特に定められていません。後述する非課税枠を考慮せず、全額企業負担で食事補助を実施するのであれば上限額はなく、企業の裁量で食事補助を提供可能です。
非課税枠の上限はあり
企業が食事補助を福利厚生として提供する際に考慮されるのが、非課税か否かという点です。食事補助にかかる費用そのものに上限はありませんが、非課税枠には上限が設定されています。
国税庁では、食事にかかる金額のうち、月額3,500円(税抜)までを非課税上限に設定しています。その他にも適用要件はありますが、基本的に食事補助の上限額はこの額までとされています。
なお、非課税上限を超えた額の食事補助を支給した場合、全額が給与として課税されます。

2026年より食事補助の非課税上限額が引き上げに

前述したように、国税庁が定める食事補助の非課税上限額は、月額3,500円です。しかし、この上限額が2026年度に引き上げとなります。2026年度以降の非課税上限額は、これまでの2倍以上の月額7,500円となる予定です。
食事補助の非課税上限額引き上げの背景
食事補助の非課税上限額は、そもそも1984年に設定された額で、実に40年以上も上限額は変更されていませんでした。40年以上も前に設定された非課税上限額は現在の経済状況にはそぐわない額であることから、2025年12月、非課税上限額の引き上げが閣議決定されました。
この40年間、物価は上昇しています。当然ながら非課税上限額が設定された当時と現在の物価には大きな乖離が生じており、その間の消費税をはじめとして増税や社会保険料の負担増加、さらに昨今の急激な物価上昇により生活費の負担、中でも食事にかかる負担が大きくなっていることは明らかです。
このような事情が、今回の食事補助の非課税額上限引き上げの背景にあります。

食事補助の非課税上限額引き上げで期待できるメリット

食事補助の非課税上限額が引き上がると企業にとって以下のようなメリットが期待できます。
従業員のエンゲージメント向上
食事補助の非課税上限額が引き上げられることで、企業はより充実した食事補助の提供が可能となります。従業員は安価で栄養バランスの取れた食事を取りやすくなり、食費の節約にもつなげられるでしょう。
企業が食事にかかる費用を福利厚生で支援すると、「勤務先が従業員の健康や生活を大切に考えている」という思いが従業員に伝わりやすく、エンゲージメント向上につなげられる効果が期待できます。
従業員の定着率向上・離職率低下
食事補助の上限引き上げによって企業が提供する食事補助の内容がより充実して従業員のエンゲージメントが向上すると、会社に対する満足度アップにつながりやすくなります。会社への愛着心や帰属意識が高まることにより、定着率がアップすると同時に、離職率の低下が望めるでしょう。
また、定着率が高く離職率が低い企業は働きやすい会社という印象を持たれることが多いため、食事補助の充実は対外的なイメージアップにもつながる良い効果も期待できます。
社内コミュニケーションの活性化
社員食堂や食事スペースの設置など、食事補助の拡充で従業員の食事が充実すると、従業員同士のコミュニケーションが活発になることが期待できます。業務上あまり関わることがなく部署同士の接点が少なくなりがちな企業でも、共有の食事スペースがあると業務と関わりがない従業員同士の交流を図ることができ、部署を超えたコミュニケーションを持つ機会が得られるでしょう。
このように、食事を通して従業員同士の社内コミュニケーションが活性化すると、意思疎通がしやすく風通しのよい職場環境づくりが実現するでしょう。従業員や部署間でスムーズな情報共有が可能となり、生産性の向上にもつながることが期待できます。
健康経営の実現
健康経営とは、経済産業省で「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」と定義されており、従業員の健康を企業が配慮し投資を行うことが組織の活性化などの良い効果が期待できるという取り組みです。近年は健康経営を実践する企業の認定制度も設けられ、対外的にもアピールできることから、健康経営は多くの企業で実施されています。
福利厚生で食事補助を提供することも、健康経営の一環とされています。食事補助を通して、企業は従業員に対して健康的な食事の提供が可能となります。栄養バランスの取れた食事を提供することによって、栄養バランスが偏りがちな食生活を続けている従業員も健康状態を良好に保つ効果が期待できる上に健康意識を高めることもできるなど、食事補助の充実は企業と従業員双方に大きなメリットをもたらす健康経営の実現に寄与するでしょう。
参考/経済産業省「健康経営」

食事補助を非課税にするための要件

福利厚生として食事補助を導入する際にかかる費用について、法律では特に上限は定められていません。しかし非課税額を超えた食事補助を提供した場合、全額が課税対象となることから、福利厚生を導入する場合に考慮する必要があるのが非課税か否かという点です。
食事補助の非課税上限額は2026年度より引き上がることとなりましたが、非課税として取り扱うにはこれまでと変わらず、一定の要件を満たす必要がある点に注意が必要です。そこで改めて、食事補助を非課税にするための要件をまとめました。
現物支給すること
福利厚生として提供する食事補助を現金で支給すると給与として取り扱われるため、非課税にはなりません。そのため、食事補助を非課税にするには現物支給が基本です。例えば、社員食堂やデリバリー、置き社食などを利用しての食事提供、カードやチケットタイプの食事券の支給などが現物支給にあたり、これらは非課税対象となります。
参考/国税庁「No.2594 食事を支給したとき」
e-Gov 法令検索「労働基準法」
国税庁「深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭に対する所得税の取扱いについて」
財務省「令和8年度税制改正の大綱」
1ヶ月あたりの企業負担を上限額以内に収めること
企業が従業員1人あたりの食事補助として負担する額を上限額以内に収めることも、非課税にするための大前提です。2025年度まで企業の負担額の上限は1人あたり月額3,500円でしたが、非課税にするには2026年度以降の上限額引き上げ後は7,500円以内に収める必要があります。
前述の通り、もし企業負担額が非課税上限額を超えた場合、企業が負担した全額が給与扱いとなるため、課税対象として取り扱われます。
従業員の食事費用負担が50%以上であること
福利厚生の食事補助を非課税にするには、従業員の負担分を50%以上にすることも必要です。企業負担分が50%を超えてしまった場合は、1ヶ月の上限額を超えた場合と同様、全額が課税対象となります。例えば、700円の食事を提供した場合、従業員の自己負担を350円以上にしなければ非課税にすることはできません。
2026年度の法改正以降も、従業員の食事費用負担の割合に変更はない予定です。そのため、食事補助の上限額が引き上がる場合は、従業員の負担額が50%以上の額である要件を満たしているかどうかも考慮しなければなりません。
すべての従業員に適用すること
食事補助を福利厚生として非課税とするには、すべての従業員に公平に適用することが求められます。正社員のみに利用が限定されているなど、一部の従業員のみ利用できる制度は福利厚生として認められません。たとえ企業負担額と従業員負担の割合が要件を満たしていたとしても、限定的に適用されている食事補助は全額が課税対象となります。
福利厚生は従業員の雇用形態にかかわらず適用対象とすることも前提となるため、食事補助を非課税にするには正規雇用の従業員はもちろん、パートやアルバイトなどすべての従業員が利用できる制度設計が必要です。
例外となるケース
福利厚生として企業が従業員に提供する食事補助を非課税とするには、ここまでご紹介した要件を満たさなければなりません。しかし、深夜勤務に従事する従業員に対しては例外があります。
労働基準法で定められた深夜勤務(22時~翌5時)に従事する従業員に対して支給する1食あたり300円(税抜)以下の現金、残業または宿日直行う際に無料で提供する食事については、非課税として取り扱いが可能です。これは、深夜勤務中に利用できる店舗が限られていること、現物支給が困難であることが理由となっています。ただし、この例外は深夜勤務者のみが対象です。深夜勤務者以外が残業によって深夜勤務となった場合の現金支給や無料の食事は、例外のケースには当てはまりません。
なお、深夜勤務従事者を対象に非課税となる現金支給額についても、食事補助の上限額引き上げに伴い、1食あたり650円(税抜)以下に引き上げとなる予定です。
また、飲食を伴う会議やミーティングで従業員の飲食費が発生することもあるでしょう。このようなケースでは、1人あたり1万円以下の費用であれば福利厚生としての食事補助や交際費ではなく会議費として処理が可能ですが、1万円を超える場合は交際費とみなされることがあります。
参考/国税庁「No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算」

食事補助の代表的な提供方法

企業が福利厚生として従業員に提供する食事補助には、さまざまな方法があります。以下では、企業で導入されている主な食事補助の提供方法をご紹介します。
社員食堂の設置
オフィス内に従業員専用の食堂やカフェテリアなどのスペースを設置し、割安な価格で食事を提供する方法です。社員食堂の運営は自社で行う、または外部委託する方法の2種類に分けられます。
温かく栄養バランスに優れた食事を割安価格で食べられる点が、社員食堂の大きなメリットです。従業員は社外へ出る必要なく食事を取れるので利便性が高く、時間の管理にも有効な方法となります。また、食堂は従業員が一同に集まる場所となるため、部署を超えた社内コミュニケーションが活性化するメリットも期待できます。
一方で、社員食堂の設置には食堂のスペース確保や設備投資、運営費用など、他の提供方法と比較すると最もコストがかかる点がデメリットです。そのため、規模の小さな企業での導入は難しく、社員食堂やカフェテリアは主に規模の大きな企業で採用されています。
デリバリー・置き社食
外部の弁当業者やデリバリーサービスと提携し、オフィスへ直接弁当などを配送してもらう方法です。オフィスの周囲に飲食店が少ない場合に利便性が高く、オフィスから出る必要なく食事を取れるので時間を有効的に使えるメリットがあります。
置き社食は、専用の冷蔵庫を設置して軽食や惣菜、ドリンクなどを提供する方法です。時間を問わず利用できるので、昼食以外の時間帯でも利用可能であることがメリットです。
チケット支給
提携飲食店やコンビニエンスストアで利用できる食事チケットを支給する方法です。外部サービスを利用する方法を利用するケースが多く、ICカード式のチケットを利用できる場合もあります。
従業員は好みに応じて提携店を利用できるので、食事を取る場所やメニューの選択肢が広い点がメリットです。

食事補助の非課税上限額引き上げで企業が対応するべきポイント

食事補助の非課税上限額が引き上げとなる場合、企業はどのような対応をするべきでしょうか。非課税上限額が引き上げとなっても、必ずしも食事補助の内容や制度を変更しなければならないわけではありません。しかし、福利厚生の充実や健康経営を意識しているのであれば、非課税上限額の引き上げに合わせて、以下の対応を行いましょう。
提供方法の見直し
食事補助の上限額引き上げに対応するには、まずは食事補助の提供方法の見直しから始めましょう。現在導入している食事補助の内容が従業員のニーズを満たしているかどうか、利用状況や実際の従業員の負担率などを調査・検証します。
もし導入時からまったく食事補助の内容が変わっておらず、従業員のニーズとかけ離れている場合は、提供方法の検討し直しが必要です。
予算の設定・シミュレーションの実施
食事補助の上限額が月7,500円に引き上げとなるということは、従来3,500円で計算されていた予算の見直しも必要です。企業が負担する1年間のコストの増加率をはじめとして、上限変更後の従業員の手取り額なども含めてシミュレーションを実施し、食事補助額を決定しましょう。場合によっては、食事補助の引き上げをせずに現状維持という選択肢もあり得ます。
食事補助の制度改正が行われる場合、福利厚生サービスはもちろん、給与計算システムに変更が必要となるでしょう。福利厚生や給与計算を外部委託している場合、食事補助の上限を引き上げて提供方法の見直しなどを実施する際にこれらの見直しや変更を行う必要も出てきます。
従業員への周知・導入の実施
すでに食事補助を提供していた企業であっても、食事補助の上限額引き上げに伴い提供方法などの制度変更が生じた場合は、その情報を従業員に対して周知を行わければなりません。なぜ食事補助が変更となるのかの理由、変更によって今後期待できるメリットなどと併せて、説明会や資料配布などを実施して変更点やルール、変更後の制度の導入スケジュールの周知を行いましょう。
事前に従業員への周知を行った後に、食事補助の導入を実施します。これまで通り、導入後は効果測定も行い、その結果に基づき定期的な制度の見直しや改善を行いましょう。

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まとめ
2026年度からの法改正により、福利厚生として従業員に提供する食事補助の非課税上限額がこれまでの月額3,500円から月額7,500円に引き上げとなる予定です。この引き上げに対応して食事補助の提供方法や内容、運用方法の見直しなどを行うことで、企業は従業員にとってより良い福利厚生を提供できるようになり、健康経営の実現や従業員のエンゲージメント向上、定着率アップなどのさまざまな効果が期待できるでしょう。
食事補助の提供はすぐに実施できるものではなく、準備期間を設けて導入する必要があります。非課税上限額の引き上げに伴い食事補助の内容を刷新するのであれば、企業は一定時間をかけて従来の制度の見直しから実施すると、企業と従業員双方にメリットが大きい福利厚生の導入が実現できるでしょう。
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