福利厚生の食事補助非課税上限額が引き上げに!対応の際の注意点を解説
こんにちは!福利厚生の強化や健康経営をサポートする心幸グループです。
福利厚生として食事補助を提供する場合に企業が負担するコストは非課税とすることができますが、その額には上限が定められています。2026年度からは、長年変更されてこなかった非課税上限額が引き上げとなる見込みとなりました。この機会に食事補助の制度そのものや提供方法などを見直す企業も出てくるかもしれません。
本記事では、食事補助の導入や見直しを行う企業はもちろん、すでに福利厚生で食事補助を提供している企業も知っておきたい、非課税上限額の引き上げについての情報と、対応する際の注意点について解説します。
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目次
福利厚生の食事補助に対する非課税上限額が引き上げに

福利厚生における食事補助には、非課税上限額が設定されています。この上限額を超えてしまうと、食事補助全額が給与扱いとなり、課税対象となってしまいます。そのため、食事補助は非課税上限額を考慮して支給されているケースが多いですが、2026年度以降、この食事補助の1ヶ月あたりの非課税上限額が引き上げられる見込みとなりました。
福利厚生の食事補助非課税上限額引き上げに対応するには?法改正で期待できるメリットや食事補助の基本・要件を解説
福利厚生の非課税上限額とは?
福利厚生の非課税上限額とは、一定の要件を満たした場合に福利厚生にかかった費用が所得税の課税対象外となる額のことです。一定額以下の食事補助であれば、労働の対価としての給与ではなく、労働環境向上や従業員の健康維持の役割を持つとされるため、非課税枠が設定されています。
食事補助を非課税にするための要件
食事補助を非課税とするには、1ヶ月あたりの上限額を超えないことが大前提となります。2025年度までの上限額は、3,500円に設定されています。
その他に、以下の要件を満たす必要があります。
・従業員負担が食事価額の50%以下であること
・現物支給すること
・すべての従業員を対象とすること
・社会通念上、常識の範囲内の金額であること
食事にかかる費用が従業員負担分よりも企業の負担分が多い場合、現金で支給した場合、過度に高額な金額であった場合などは課税対象です。また、一部の従業員のみ利用できる食事補助であったり、現金で食事補助を支給したりした場合は、課税対象となります。
2026年度以降の食事補助について変更となるのは、非課税上限額の引き上げのみです。2026年3月時点では、上記の非課税にするための要件については変更がないとみられます。
非課税上限額が引き上げになった流れ
2026年度から食事補助の非課税上限額が引き上げとなる予定ですが、この上限額は1984年に設定されたものです。1984年当時の物価や食事代が反映された金額だったにもかかわらず、これまで40年以上もの間変更されていませんでした。
この40年の間に物価は上昇し、特に近年の物価上昇は著しいものがあります。また、食事補助として月額3,500円を超える食事補助を提供している企業も多いといわれます。そのような状況で、40年以上前の物価で設定された非課税上限額は、現在の物価水準と照らし合わせても明らかにそぐわない額といえるでしょう。
そこで2025年、飲食店や食事補助サービス事業者などで構成された「食事補助上限枠緩和を促進する会」が、食事補助の非課税上限額引き上げについての要望書を政府へ提出しました。そして政府方針として非課税上限額の「速やかな見直し」が明記され、2025年12月、「令和8年度税制改正の大綱」に食事補助の非課税上限額の引き上げ方針が盛り込まれたのが、これまでの流れです。
2026年度以降の非課税上限額は、従来の2倍以上の7,500円となる見込みです。

企業が食事補助を非課税にするメリット

食事補助は、法律で定められている福利厚生ではなく、企業が独自に定める法定外福利厚生の一種です。すべての企業が導入する必要がない福利厚生ですが、実際には多くの企業が導入しています。
食事補助は前述した要件を満たせば非課税として取り扱うことができますが、非課税にすることによって、従業員と企業双方にメリットが期待できます。
節税効果がある
企業に課される法人税は、利益に法人税率を掛けた額となりますが、利益を算出するには売上から損金を差し引いた額が用いられます。
損金とは、事業活動に必要な費用や損失のことで、食事補助にかかった費用は損金として取り扱いできます。そのため、食事補助の費用を利益から差し引いた額で法人税を算出できるので、食事補助には節税効果が期待できるのがメリットです。
従業員の手取りアップ
給与は所得税の課税対象となりますが、要件を満たした食事補助は所得税の課税対象外です。食事補助が非課税となると従業員に課される所得税も減ります。
従業員にとっても、食事補助は会社による食費にかかる費用を勤務先のサポートを受けて節約できることから、実質的な手取りアップにつながるメリットが期待できるでしょう。

食事補助が非課税にならないケースとは?

食事補助は、すべてが非課税として取り扱いできるものではありません。前述した要件をすべて満たす必要があるため、以下に挙げる2つのケースでは非課税にはならず、食事補助の全額が課税対象となる点に注意が必要です。
現金で支給した
食事補助を非課税にするには、必ず現物支給するのが原則です。例えば、弁当や惣菜などの支給のほか、食事を取れるチケットやカードの支給も、現物支給に該当します。
給与に上乗せするなど、食事補助を現金で支給した場合は給与と同等に扱われ、課税対象となります。
非課税上限額を超えた
2025年度までの食事補助の非課税上限額は、2026年3月時点では1ヶ月あたり税別3,500円です。この額を超えた食事補助を従業員に支給した場合、非課税上限額を超えた額のみ課税されると誤解されがちですが、上限を超えると食事補助の全額が課税対象となります。

食事補助を非課税にする際に注意するべきポイント

従業員に提供する食事補助を非課税としたい場合は、上記の非課税にならないケースを参考に、以下のポイントを踏まえて制度設計を行う必要があります。また、従業員の勤務時間帯によっては例外となるケースもあることを押さえておきましょう。
非課税上限額を超えないこと
食事補助を非課税とするための大前提が、1ヶ月あたりの非課税上限額を超えないことです。2025年度までは3,500円、2026年度以降は7,500円を超えない範囲内で企業が負担することが求められます。そして、非課税上限額は引き上げ後も含め、すべて税別となります。
非課税上限額の引き上げは、税制改正の施行時となります。上限額引き上げに合わせて企業が負担する額を上げる場合はいつ、どのようなタイミングで非課税上限額を引き上げた食事補助制度変更を行うか、新制度の開始時期も明確にしておく必要があります。
現物支給すること
食事補助を非課税にするためのもう一つの重要なポイントが、現金ではなく現物で支給することです。例えば、社員食堂の食事や置き社食、デリバリーの弁当などが該当します。
食事に利用できるチケットは現物支給扱いとなるため、非課税にすることができます。しかし、現金と同様に食事以外にも利用できる商品券やQUOカードなどは現金での支給とみなされる場合があるので注意しましょう。
消費税の取り扱いに注意すること
食事補助の非課税上限額を設定する際に把握しておきたいのが、消費税率の違いです。現在、消費税は標準税率の10%と軽減税率の8%の2種類があります。食事補助の非課税上限額は税抜で1ヶ月あたりの額が定められていますが、食事に関わる消費税はイートインとテイクアウトで税率が異なります。
現在の食事にかかる消費税率は、大まかに分けると飲食店内で提供される食事を取る際は標準税率、飲食店や弁当店、コンビニエンスストアなどで弁当などを購入して持ち帰る際は軽減税率が適用されます。
消費税は食事の提供がある場合に標準税率となるため、同じオフィス内の食事提供でも、社員食堂や社内のカフェテリアでの食事は10%、オフィス内で従業員が購入するのみの置き社食は8%と税率が異なります。弁当などのデリバリーは飲食料品の譲渡とみなされるため、かかる消費税は原則的に軽減税率の8%ですが、配膳がある場合はケータリングとみなされ、標準税率の10%が課されます。
そのため外食とテイクアウト・デリバリーでは、以下のように会社が負担する消費税額の算出方法も異なってきます。
・外食:(食事価額の総額-従業員負担額)÷1.1
・テイクアウト・一般的なデリバリー:(食事価額の総額-従業員負担額)÷1.08
税込価格が同じだったとしても、消費税率の違いによって税抜価格で算出すると会社が負担する額が非課税上限額を超える場合もあるため、提供形態によって異なる消費税の取り扱いには注意が必要です。
深夜勤務者で例外になるケース
食事補助を非課税とするには現物支給が原則ですが、深夜勤務者に対する食事補助は例外として、現金での支給でも非課税として取り扱いが可能です。これは、深夜勤務者に対して食事の現物支給が困難であることが理由です。
対象となるのは、22時~午前5時の間に勤務する者で、1食あたり300円以下までの現金支給が非課税となります。2026年度からの非課税上限額引き上げに伴い、深夜勤務者に支給する現金の上限額も、1食300円以下から650円以下に引き上げとなる見込みです。
深夜勤務者の取り扱いで注意したいのが、通常の時間帯に勤務する従業員が深夜勤務となった場合は対象外となる点です。通常の時間帯に勤務する者が22時を超えて残業をしたとしても、例外として取り扱われることはありません。残業した従業員に対して現金を支給すると、課税対象となるため注意しましょう。
参考/国税庁「深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭に対する所得税の取扱いについて」
財務省「令和8年度税制改正の大綱」

非課税上限枠内で食事補助を提供できる福利厚生サービスの種類

福利厚生としての食事補助は、企業の規模や立地などに合わせて、各社で異なる内容が提供されています。企業で導入されている主な食事補助には、以下のような種類があります。
置き社食
置き社食とは、オフィス内に専用の冷蔵庫や冷凍庫を設置して惣菜や軽食などを常備・提供するタイプの食事補助です。従業員はいつでも好きな時間に食事などを購入でき、電子レンジで温めるだけで手軽に温かい弁当や惣菜などを食べられます。
置き社食は少ないスペースに設置可能なので、限られたスペースを有効活用して食事補助を提供できること、多彩なメニューを常備できるのがメリットです。置き社食はオフィスの決められた場所に設置するタイプであるため、出張や外回りが多い従業員、在宅勤務者は利用しにくいですが、社員食堂と比較すると設置・導入、運営費用を削減できる点が、企業にとってメリットが大きい食事補助の提供方法です。
デリバリー
企業が飲食店や弁当店などと提携し、お弁当などをオフィスへ届けてもらう方法です。従業員は外出することなく、オフィス内で食事を受け取って食べることができます。さまざまなメニューを選択できること、外出する必要がないので昼食時の混雑を避けられるなどが、デリバリーのメリットです。
都心部ではデリバリーの選択肢が多く、その分多彩なメニューを選択できる一方で、地方や郊外などは配達エリア外となるケースもあることから、オフィスの場所によってデリバリーは利用が難しいこともあります。デリバリーはオフィスへの宅配となるので、オフィス以外の場所で働く従業員が利用しにくい点がデメリットです。
チケットサービス
企業が1ヶ月分の食事補助をチケットやICカード、アプリなどを利用して提供するタイプです。従業員は、チケット対応の飲食店で食事を取ることができるほか、コンビニエンスストアで食事を購入することも可能です。チケットサービスは企業独自で行うことは少なく、外部のサービスを利用するのが一般的で、一部のチケットサービスではデリバリーにも利用できます。
外部のチケットサービスは利用できる提携店が多いので、従業員は好みに応じた店舗やメニューを選択しやすいメリットがあります。オフィスの近隣店舗以外でも利用可能で、全国チェーンで利用できるチケットであれば、営業や在宅勤務などでオフィスに常駐する時間が少ない従業員でも食事補助の利用が可能です。
カフェテリア・パッケージプラン
カフェテリアプラン、またはパッケージプランは、外部の福利厚生メニューを利用するタイプです。
カフェテリアプランとは、企業が設定したポイントを従業員に付与し、食事を取れる飲食店のほか、旅行やフィットネスクラブ利用、生活支援などの多彩な福利厚生メニューから自由にポイントを使って利用したいサービスを選択できるプランです。パッケージプランはさまざまな福利厚生が1つのパッケージとなっており、従業員がサービスを選択してクーポンや割引を自由に利用できるプランです。
カフェテリアプランやパッケージプランはいずれも食事補助が含まれていますが、他の種類のサービスを含めたメニューから選択することとなる点が、他の食事補助の提供方法と異なります。
社員食堂
オフィス内に社員専用の食堂を設置・運営する方法です。社内で栄養バランスの取れた温かい食事を毎日従業員に提供できるので、健康維持や満足度向上に高い効果が期待できる点、社員食堂のスペースを従業員同士のコミュニケーションの場として活用できる点などが、大きなメリットです。従業員専用の社員食堂があることは、対外的なアピールポイントとしても有効で、企業イメージアップや採用力強化などの副次的効果も期待できるでしょう。
しかし、社員食堂の設置には一定以上のスペース確保が求められます。加えて、設置・運営コストは他の食事補助と比較すると最も多額のコストがかかるデメリットがあります。社員食堂の運営は自社のみで行うほか、外部委託する方法がありますが、自社運営は導入・運営コストや人件費など、より多くのコストがかかるため、外部に設置・運営を委託する会社も少なくありません。

食の福利厚生を導入するなら心幸グループのサービスがおすすめ

食事補助は、ただ単純に従業員の食費を会社がサポートするだけにとどまらず、従業員の健康維持や満足度アップなどの効果が期待できる福利厚生です。2026年度からの食事補助の非課税上限額が引き上げに伴い従業員に提供する食事補助の金額を増やすことで、より多彩な食事補助の提供が可能となることも見込めるでしょう。
福利厚生として食事補助を導入するには複数の方法があり、企業が導入を検討する際は自社のニーズに沿った方法を導入することが求められます。食事補助に十分な予算がある企業では、自社内に社員食堂を設置して自社運営を行うことが可能ですが、そこまでのコストはかけられない企業も多いものです。自社で独自の食事補助導入・運用が難しい場合は、外部のサービスの利用がおすすめです。
心幸グループでは、企業のニーズに合わせた食事補助をサポートするサービスを提供しています。手軽にオフィス内で利用できる食事補助を導入するなら、置き社食サービス「オフめし」が最適です。惣菜や冷凍弁当など800アイテム以上の中から必要な分だけ必要な商品を設置でき、しかも卸価格で購入できるので、コンビニエンスストアよりもリーズナブルです。少人数のオフィスでも設置しやすく、商品をストックしておけば災害時の備蓄としても活用できる点もメリットです。
その他にも、心幸グループでは食の福利厚生としてオフィスコンビニ「心幸ストア」、ランチタイムのキッチンカー派遣「ごちショウ」、社員食堂・カフェテリア運営「心幸キッチン」を提供しています。
2026年度からの食事補助の非課税上限額引き上げに合わせて、これまでの食事補助をさらに充実したい、または改善したいと検討している場合は、ぜひ心幸グループのサービスをご検討ください。

まとめ
2026年度より、企業が従業員に提供する食事補助の非課税上限額が引き上げとなる見込みです。これまで40年以上にわたって引き上げらなかった非課税上限額が変更となることによって、企業はより充実した食事補助の提供が可能となり、さらなる従業員満足度や自社のイメージアップなどが期待できるでしょう。企業によっては、これを機に食事補助の拡充や導入を進める機会も出てくるかもしれません。
しかし、非課税上限額が引き上がることによって、食事補助の制度設計や内容の見直しが必要となる可能性があります。また、非課税上限額を超えてしまったことにより課税されるという落とし穴もあるかもしれません。企業で福利厚生を担当する人事や総務は制度改正を踏まえて、食事補助の拡充や導入、制度の見直しを進めてみましょう。
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