物価高時代の福利厚生戦略|「現金より福利厚生サービス」が選ばれる理由を調査データで読み解く
こんにちは!福利厚生の強化や健康経営をサポートする心幸グループです。
「賃上げしたのに、従業員の満足度が上がっていない気がする」──そんな声を、人事・総務担当者から聞く機会が増えています。その背景には、物価上昇による実質的な手取りの目減りがあります。給与を上げても、食費・光熱費・日用品代の値上がりが帳消しにしてしまう現実。この課題に対して、いま注目されているのが「食事補助」や「置き社食」などの福利厚生サービスです。本記事では、心幸ホールディングス株式会社が2026年4月に実施した「物価高時代における従業員の食事支援に関する実態調査」(人事・総務担当者110名)をもとに、なぜ現金給付よりもサービス提供型の福利厚生が選ばれるのか、その理由と企業が今すぐ動くべき根拠を解説します。
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目次
96.4%が実感する”食費負担増”の現実──調査が示す担当者の危機感

今回の調査でまず目を引くのが、物価高の影響に対する担当者の認識の高さです。
「食費負担が増えている」と
感じる担当者の割合96.4%
そのうち「非常にそう感じる」
と回答した割合66.4%
食事補助・置き社食サービスを導入済みまたは検討中の人事・総務担当者110名に「物価高の影響で従業員の食費負担が以前より増えていると感じるか」を聞いたところ、96.4%が「そう感じる」と回答。そのうち66.4%が「非常にそう感じる」と答えており、担当者レベルで課題感が非常に高いことがわかります。
物価高は「一時的な問題」ではない
総務省の消費者物価指数を見ても、食料品の価格上昇は2022年以降続いており、2025年においても前年比プラスが続いています。外食・中食コストの上昇は顕著で、昼食代だけで月数千円単位の家計負担増が生じているケースも少なくありません。調査担当者の96%超が実感しているという数字は、「一部の業種・規模の問題」ではなく、ほぼすべての企業が直面する構造的な課題であることを示しています。
担当者の2人に1人が「早急に対応が必要」と感じている
この調査では、問題を認識しているだけでなく、「何らかの対策が必要だ」という意識が担当者の間で広がっていることも示しています。しかし一方で、「わかっていても動けていない」という実態も存在します。その理由については後述しますが、まず重要なのは「担当者の大多数がすでに問題意識を持っている」という点です。経営層への提案材料として、この調査データは非常に説得力を持ちます。

賃上げだけでは届かない「実質手取り」問題
「物価が上がっているなら、賃金を上げれば解決するのでは」──そう考える経営者・人事担当者は少なくありません。しかし実際には、賃上げには構造的な限界があります。
税・社会保険料が増えると、賃上げの恩恵は目減りする
月給を1万円引き上げた場合、手取りへの影響はどう変わるでしょうか。以下の表で概算を示します。
| 施策 | 企業負担(月) | 従業員の実質メリット(月) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 月給1万円アップ | 約13,000〜14,000円(社保含む) | 約7,000〜8,000円 | 所得税・社保の自己負担増あり |
| 食事補助(非課税枠内) | 約3,500円〜 | 約3,500円〜(実質全額) | 月3,500円以内・半額以上企業負担で非課税 |
| 置き社食(補助あり) | 設置コスト+補助額 | 食費の節約額(実感しやすい) | 手間なし・日常使いで満足度が高い |
賃上げは従業員に直接届く前に、税金と社会保険料で2〜3割が差し引かれます。企業が1万円を追加コストとしてかけても、従業員に届く手取り増は7,000〜8,000円程度にとどまることが多いのです。
一方、食事補助は税法上の非課税要件(月3,500円以内かつ企業が半額以上負担)を満たせば、従業員の課税所得を増やさずに実質的なメリットを届けられます。企業の支出が「ほぼそのまま」従業員の生活改善につながる点が、賃上げとの大きな違いです。
つまり、「賃上げ」と「福利厚生サービスの拡充」は対立する選択肢ではなく、組み合わせることで費用対効果を最大化できる戦略なのです。

食事補助と置き社食が注目される理由──非課税メリットとサービス価値
調査では、すでに食事支援を実施している企業の内訳も明らかになっています。

Q:食事支援施策として実施しているもの(複数回答、n=110)
- 食事手当・食事補助の支給:64.5%(最多)
- 置き社食サービスの導入:約50%(約半数)
「食事手当・食事補助」が6割超で最多となっており、すでに多くの企業が現金ではなく「食事に使途を限定したサービス型の支援」を選択していることがわかります。なぜ、あえて「現金給付ではなく食事補助」を選ぶのでしょうか。その理由は大きく3点あります。
理由① 非課税メリットによるコスト効率
税法上の要件を満たす食事補助は、従業員の課税所得に加算されません。企業側も福利厚生費として損金算入できるため、双方にとって効率的な支出となります。
理由② 使途を明確にすることで「生活改善」の実感が高い
現金を渡しても、何に使われたかは見えません。食事補助・置き社食であれば、「毎日の昼食代が減った」「社内でご飯が食べられる」という具体的な実感が生まれやすく、満足度・エンゲージメント向上に直結します。
理由③ 採用・定着の差別化ポイントになる
物価高が続く中、求職者は「実質的な生活コストの支援があるか」を重視するようになっています。食事補助の有無は、採用媒体での訴求にもつながる差別化要素です。

導入企業の現状と「未導入の壁」──調査データから見えた3つの課題
では、なぜすべての企業が導入に踏み切れていないのでしょうか。調査では、食事支援を「現在検討中」または「実施していない」担当者に対して、その理由を聞いています。
最も多い未導入理由は「予算の確保」と「優先順位」

Q:食事支援を導入していない理由(複数回答、n=20)
- 「予算が確保できない」:35.0%
- 「他の福利厚生を優先している」:30.0%
未導入の最大の壁は「予算」です。しかし、後述するように現実的な月額予算は「1万〜3万円未満」が約4割を占めており、必ずしも大規模な投資が必要なわけではありません。「他の福利厚生を優先」という声は、食事補助が”二番手”に置かれがちであることを示していますが、物価高の今こそ従業員の生活直結型の支援を見直す好機といえます。
9割超が「管理の手間」をハードルと感じている
この調査で特に注目すべきデータがあります。

「集計・管理の手間が
ハードルになる」と回答9割超

現実的と思う月額予算
「1万〜3万円未満」の割合約4割
食事補助を導入する際、担当者の「集計・管理の手間が増えること」がハードルになると感じると回答した割合が9割超に上りました。これは非常に示唆深いデータです。「やりたい気持ちはあるが、運用が大変そう」というブレーキが、導入を躊躇させている実態が浮かびあがります。
一方、月額予算については「1万〜3万円未満」が最も現実的と考えている担当者が約4割を占めています。コスト感覚としては「高くない」と感じている企業も多く、問題は「金額」よりも「運用負荷」にあることがわかります。
逆に言えば、「管理の手間がかからない仕組み」さえ整えば、導入障壁の大半は取り除けるということです。近年普及している置き社食サービスや、専用アプリで管理工数を削減できる食事補助ツールは、まさにこのニーズに応えるために設計されています。

費用対効果で見る食事支援の選び方
食事支援には複数の選択肢があります。企業の規模・勤務形態・予算に応じて適切な手段を選ぶことが重要です。
| 施策 | 向いている企業・状況 | 主なメリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 食事手当(現金補助) | 在宅・テレワーク中心、従業員が分散 | 柔軟性が高い、手続きが比較的簡単 | 使途管理が難しい、非課税要件に注意 |
| 置き社食サービス | オフィス勤務が中心、食堂を設置できない中小企業 | 従業員の実感が高い、管理負荷が低い | 在宅勤務者には使いにくい |
| 食事補助チケット・ポイント | 外出・営業が多い職種 | 外食・コンビニ等で使えて柔軟 | 加盟店の範囲に依存 |
| 社員食堂 | 大規模オフィス・製造業 | 健康管理・コミュニティ形成 | 初期コスト・運営コストが大きい |
中小企業の場合、社員食堂の設置は現実的でないケースも多いですが、「置き社食」であれば初期投資を抑えながら同様の効果を得られます。設置工事不要で最短1ヶ月で導入できるサービスも増えており、人事・総務担当者の工数を最小化しながら福利厚生を充実させることが可能です。
調査データが示す「1万〜3万円未満が現実的な月額予算」という感覚値は、置き社食・食事補助といった小規模から始められるサービスと非常にマッチしています。まず試験導入し、従業員の反応を見ながら拡充していくアプローチが現実的です。

管理負担を抑えて導入できる置き社食「オフめし」

食事補助を導入したくても、「運用が大変そう」「担当者の業務が増えそう」といった理由から、導入に踏み切れない企業は少なくありません。特に中小企業では、人事・総務担当者が少人数で複数業務を兼任しているケースも多く、管理負担の大きさは重要な課題です。
そこで注目されているのが、低コスト・低負担で始めやすい「置き社食サービス」です。中でも「オフめし」は、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯に対応し、約800種類の商品から従業員が自由に選べるため、多様なニーズに対応できます。
さらに、キャッシュレス決済や利用データの管理機能により、担当者の集計・管理業務を効率化できる点も特長です。月3万円未満から始められるプランもあり、「まずは小規模で試したい」「福利厚生を強化したいが大きな投資は難しい」という企業でも導入しやすいサービスといえるでしょう。

まとめ──福利厚生の「定義」をアップデートする時
今回の調査データが示すのは、物価高への対応が「特定の課題意識を持つ企業だけの話」ではなく、ほぼすべての人事・総務担当者が直面している現実だということです。
ポイントを整理すると、以下のようになります。
- 担当者の96.4%が物価高による従業員の食費負担増を実感している
- 賃上げは税・社会保険料の控除により、実質手取り増の効率が低下する
- 食事補助・置き社食は非課税メリットにより、コスト効率よく実質的な支援ができる
- 未導入の最大の壁は「予算」ではなく「管理の手間」であり、運用のしやすさが選定の鍵
- 月1〜3万円以内でも、従業員が日常で実感できる支援が可能
「福利厚生」の定義は、かつての「会社が提供する付加的なサービス」から、「物価高・賃金問題の時代における生活支援インフラ」へと変わりつつあります。人事・総務担当者が今すべきことは、賃上げか福利厚生かという二択で悩むことではなく、両者を組み合わせて従業員の「実質的な豊かさ」を最大化する戦略を設計することです。
まずは自社の勤務形態・従業員ニーズ・運用体制を整理し、導入しやすい食事補助や置き社食サービスから一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
調査出典:心幸ホールディングス株式会社「物価高時代における従業員の食事支援に関する実態調査」(2026年4月6〜7日実施、IDEATECHリサーチマーケティング「リサピー®」による、n=110)
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